3つの「しんか」

工務のTです。

 長らく続いた新型コロナウイルスによる緊急事態宣言も新規感染者が減少傾向にあり、ようやく緊急事態宣言解除の兆しが見えてきたようです。とはいえ、第2波の感染のリスクもあるためまだまだ油断できませんし、引き続き感染予防対策も必要でしょう。そうであっても徐々に平常な日々を迎えられることに期待せずにはいられません。

 さて、タイトルの3つの「しんか」ですが、これはある後輩から「三報社の強みって何ですか?」と問われたことがあり、その時に思い浮かんだ言葉です。

 まず一つ目のしんかは「進化」です。今ではすっかりアナログからデジタルに移行された印刷業ですが、その技術はまさに日進月歩であり、特に組版ソフトなどは毎年のようにバージョンアップされます。弊社内の組版だけを考えたらすぐにバージョンアップしなくても問題ありませんが、お客様から入稿されたデータが新しいバージョンで作成されていれば、同じ組版環境で作業をする必要があります。そのためバージョンアップは欠かせません。詳しい説明は割愛させていただきますが、他には弊社の主力部である印刷機や、簡易校正機など様々な部分が日々進化を遂げ、それを使用するオペレーター達も進化し続けています。

 そして二つ目のしんかは「深化」です。残念ながら仕事をこなす上でミスを起こしてしまうこともありますし、組版ソフトのバージョンアップに起因した思いも寄らぬバグが発生してしまうこともあります。その際には原因を追及し同じ過ちを起こさぬように教訓としてオペレーター間で情報共有を心がけています。さらに弊社は創業96年となりますが、古い考え方にとらわれず、しかし新しい技術を過信せず、温故知新を大切にしております。ミスも、積み重ねた知識も、新しい技術も次への仕事の糧として、経験を深化させています。

 最後に、三つ目のしんかは「真価」です。印刷・組版は本1冊毎に異なる仕様といっても過言ではありません。時には一筋縄ではいかず困難な局面を向かえる案件も出てきます。そんな時でも進化+深化で、真価を発揮しお客様に喜ばれる仕事が出来るように努力を続けています。

 手前味噌ではありますし、自分でもちょっと過大評価しすぎ(?)なんて思ってしまいますが、この3つの「しんか」でこれからも成長し続けていきたいと思っております。

 


文字情報以外のマクロ①

那須工場 テキスト変換課のHです。

今まで隠し文字など文字情報を使ったマクロについて紹介してきましたが、文字情報を使わなくてもマクロを活用することができます。
そこで今回は文字情報以外のマクロについて紹介していきたいと思います。


AutoOpen・AutoClose
今回紹介するのはAutoOpen・AutoCloseという機能です。
これらの機能は字面そのままですがWordデータを開いた時に自動でかかるのがAutoOpen、その逆でWordデータを閉じた時に自動でかかるのがAutoCloseと言います。
これら機能の何が優れているかというと、データを開いたり閉じたりするだけで自動でマクロがかかるので、かけ忘れる心配が無いということです。

では実際にAutoOpenに取り入れているものを紹介していきます。
まずはじめに通常作業で見落としがちな「隠し文字・白文字・フィールドコード」が設定されている文字の検索・置換を行っています。

検索に引っかかると該当箇所に↓のような目印が入ります。
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↑隠し文字は目立つように網掛け、テキスト上での処理用にタグを挿入。

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↑白文字は目立つように網掛けのみ。

上記処理後、画面上に↓のようなメッセージが出るように作ってあります。
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このように通知・処理を行うことで原稿に無い文字に気づかないまま、作業が流れてしまうということを防ぐことができます。


また、Wordの表示もAutoOpenで一括設定しています。
例えばWordには印刷レイアウト・Webレイアウト・アウトラインなど何種類かのレイアウト設定があり、ページ表示も1ページ表示や見開きで2ページ表示など様々な設定が可能となっています。

我々の作業では原稿とデータを比較しながら行うことが基本のため、上記設定では印刷レイアウト・1ページ表示がベストになります。
しかしながらそれらの設定を毎回手動で行うと時間のロスになってしまうため、開いた時点で必ず設定されるようにAutoOpenに組み込む事にしたのです。

見開き2ページの図
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レイアウト=アウトラインの図
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↑これらの状態だと原稿とデータを比較した時に、見た目が違うため比較がしづらい。

そのため、↓のように印刷レイアウト・1ページ表示に設定する。
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このように原稿と同じ見た目にすることで、原稿一枚ずつとデータ1ページずつを比較する作業がとてもやりやすくなります。


以上がAutoOpenで用いているマクロの説明になります。ちなみにもう一つ機能『AutoClose』で用いているのは、隠し文字に対しての処理忘れが無いかをチェックするマクロだけなので、紹介を割愛させていただきます。

 


新入社員の人員配属

こんにちは。
総務部からの報告です。

遅れましたが、新入社員の配属部署、人員数をご紹介します。

本社・営業部    6名
江戸川工場印刷部  3名
シー・ピー・エス  7名
エヌ・アイ・シー  5名
三協美術印刷営業部 1名
合計22名です。

緊急事態宣言が続く中、新人教育セミナーも社外・社内とも中止、延期になってしまい、
新入社員は即配属、即実践になりました。

新人の皆さん、一ヶ月経過した感想はどうですか?
先輩は優しく教えてくれますか、厳しいですか?
先輩に何でも聞いていますか?
挨拶・返事はできていますか、コミュニケーションはとれていますか?

最近はコロナウイルスの話題ばかりで、
総務部でも毎日夕方になると今日の感染者は何人?と気になるばかりですしマスクの確保にも苦労しています。普段、マスクに慣れていない方々もつけた状態での作業が日常となってしまいました。
マスクをつけた状態での対面は表情が分かりづらく、声も通りにくいので、大きな声ではっきりと挨拶や報告、連絡、相談をできるように心がけたいですね。大きくて明るい声は、新入社員の方々にも又、先輩の皆さんも即実践できることだと思います。「いい子だな」「信頼できる先輩だな」とお互いに好印象をもちたいですね。

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衛生管理者

こんにちは、江戸川工場工務のTです。
今回は衛生管理者についてお話しさせていただきます。

そもそも、衛生管理者とは?

法律で、「職場において労働者の健康障害を防止するため、常時50人以上(50人以上~200人以下 1人以上 など)の労働者を使用する事業者は、その事業場専属の衛生管理者を選任しなければなりません。」となっています。また、衛生管理者(国家資格)には第一種衛生管理者と第二種衛生管理者があり、当社“製造業”は第一種衛生管理者となります。(ちなみに、江戸川工場の第一種衛生管理者は、私Tです)

衛生管理者の役割は、
⑴労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること。
⑵労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関すること。
⑶健康診断の実施その他の健康の保持増進のための措置に関すること。
⑷労働災害防止の原因の調査及び再発防止対策に関すること。
等のうち衛生に関する技術的事項の管理を行います。

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自分は、試験を受ける前に講習会を受講させていただいてから受験しました。

試験内容は、関係法令(労働災害の防止など)、労働衛生(健康管理や作業環境など)、労働生理(筋肉の生理・血液循環と血液の生理など)でした。

難しいものばかりでしたが、労働衛生では食中毒の勉強や、関係法令では食堂の1人当たりの床面積やトイレの数も何人以上は男子便所の大便所の数いくつ・小便所の数いくつなど法律で決まっていたことに驚きました。(実際に試験で出たものもありました)

現在の仕事では、毎年の健康診断の工場内の周知とサポート、衛生員会のサポート、などを行っています。

 


おうちごはん

デザイン編集部のKです。

最近はコロナウイルスの影響で色々なイベントが中止になったり、なるべく外出を自粛する状況になってしまいましたね。ごはんも外食ではなく家で作って食べることが増えている…等とニュースで聞きます。

私も最近は意識して、仕事が終わって家に帰ってからごはんを作っています。今はネットで手軽にレシピを検索できますよね。同じ料理でもたくさん種類があって迷いますが自分なりにアレンジしたり、あれこれ考えるのも楽しかったりします。

特に何度も作るほど大好きな料理があって「ガパオライス」なんですが、ご存知でしょうか。タイ料理であり鶏肉や豚肉のバジル炒めごはんです。半年ぐらい前に初めてお店で食べて、とてもおいしくて感動したのが作り始めたきっかけでした。最初はなんとなく作るの難しそうだなって先入観があったのですが、フライパン一つで意外と簡単に作れます。

今回レシピを描いたので、自己流ですが紹介したいと思います。

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料理の内容とは別に、このレシピを作成したときのデザイン面でのお話もしたいと思います。

【DTPデザインのポイント】
・レシピなので読みやすさを意識して、材料と作り方で区別がつくように色分け
・気軽に作れるというイメージでフラットな書体を使用
・色数を絞ることで統一感を出す
・手描き風のイラストやフレームにして手作り感をUP

また余談ですが、使うお肉は鶏でも豚でも好きなのを自由に。私は値段が手頃なのもあって、牛と豚の合い挽き肉をよく使います。調味料で使う豆板醤の割合が大きいので、辛さなど味の決め手になっている気がします。他に別の野菜を加えるのも良いかもです。

もっと料理のレパートリーを増やすことを目標にして、今後も毎日のごはん作りをがんばっていきたいです。

 


本を読む

工務部のTです。

突然ですが、みなさんは本を読まれますか? 私は数年前からなるべく本を読むように心がけています。今にして思えば、元々本が好きだったのかもしれません。小学生の頃はもらったお年玉を持って本屋さんに行ったりしていましたから。

最近本を読み始めるようになったきっかけは色々とあるのですが、まずはウチの子たちにもっと本を読んで貰いたいと思ったからです。どこの家庭でも同じようなものでしょうが、暇さえあれば携帯電話でゲームをしたりSNSに夢中になったりしています。知りたい情報も簡単に検索できて、あっという間に問題解決です。それはそれでいいのですが、勉強以外で頭を使ってもらいたいと感じていました。前々から本を読んでもらいたいと思っていたのですが、ただ「本を読みなさい」と言ったところで「はい、読みます」とはならないでしょう。そこでまずは自分が本を読んでいる姿を見せて、「何かを感じ取ってもらおう作戦」に打って出たのです。ところが久しぶりに本を読み始まるとすっかりハマってしまい、集中して読みたくなった私は周りの雑音を嫌い、家族がいるリビングではなく一人になれるところで本を読むようになっていました。もう、「本を読んでいる姿を見せる作戦」は本末転倒です。本の厚さに合わせて2種類のブックカバーまで買ってしまい、完全に自分の世界です。揚げ句の果てには末っ子が「パパはいつも本を読んでいるから」と私の誕生日に自分のお年玉で小説を2冊プレゼントしてくれました。とても嬉しかったですし、お年玉で本を買うことが息子にも受け継がれたなと笑ってしまいました(しかし息子よ、自分のために本を買いなさい!でもありがとう)。ちなみに長女は木製の栞を父の日にプレゼントしてくれました。
そんなこんなでしばらく経ったころ本屋さんに寄った際に、隣にいた次女が一冊の本を見つめていました。「読みたい?」と聞くと「うん」とうなずくので買って帰りました。また先日には末っ子が学校で本を読むために「パパ、何か面白い本ある?」と聞いてくれました。長女もつい先日、私の本をいつの間にか読み始めていて嬉しく思いました。

読書はテストの点数は上がらないかもしれませんが、頭を良くしてくれる要素がたくさん詰まっています。ウチの子たちにはそれが何かを教えることはせずに自分たちで感じ取ってもらいたいので私からは何も言いません(しばらくしたら感想を聞くのも楽しみなので)。
 
ぜひみなさんも、少しずつでも、薄い本からでも何でもいいので読書を始めてみてはいかがでしょうか?大人の方は頭の体操になりますし、学生さんは新コロナウィルス感染防止対策による休校中で時間を持て余していることでしょうからお薦めです。SNSに比べたら、ちょっと面倒くさい読書ですが、読み終えた時の達成感とその面白さに気づいていただけたら幸いです。

そして出版不況といわれている業界に少しでも貢献していただけたら尚、幸いです。
 

 


文字情報を活用したマクロ

那須工場 テキスト変換課のHです。

今回はデータ上の文字情報を活用したマクロについて紹介していきたいと思います。
文字情報とはその言葉通り、文字に対してのフォントや形の指定のことです。 

前々回の勉強部屋で紹介した通り、我々は基本的にテキストへ変換して作業を行っています。
ですが、この文字情報というのはテキストに変換すると一切無くなってしまうのです

文字情報が無くなるとどうなるか?

普通の仕事ならそこまで困ることはありませんが、例えば上付きや斜体などがたくさん出てきた時に、文字情報が無いテキスト上で作業をすると、手作業のため手間がかかる上に見落とすリスクも伴います。
一方Wordなどのデータ上で、文字情報が残っている状態で処理を施せば、ある程度一括で行えるため時間短縮にもつながり、見落とすリスクも軽減します。

実際にどのような作業をマクロ化しているのか?

Wordを例に解説していきます。まずベースとして使用しているのはWordの通常機能にある検索・置換です。(下記イメージ参照)

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↑上記画面は通常の検索・置換のみを行うウィンドウで、文字情報の指定を行うには囲み部分の「書式」→「フォント」をクリックします。

すると↓以下のような画面が現れます。

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↑このウィンドウで形の指定をすることで、検索する文字に文字情報を含める事ができます。

↓例)太字、上付きの文字情報を指定した時のイメージ

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上記のような作業をマクロ化しているわけですが、マクロ化するメリットとしてこのような処理を複数同時にできるという所にあります。(通常機能だと一つずつしか処理できない)


実際に複数の処理をまとめた例をあげると 

上付き、下付き、斜体(イタリック)、小型英大文字(スモールキャップ)*、ルビ文字**、傍点

などはボタン一つで処理できるように作成しました。
*小型英大文字(スモールキャップ)は検索が複雑なので,置換したい形にならないことがあります。実際こちらで定めている形とはあまり相性がよくありません。。
**ルビ文字はマクロの処理をしなくてもパーレンに挟まれて書き出されますが、そのパーレンをこちらのルビ文字の形になるように処理しています。

個別の処理としては 

太字、下線(線種の使い分けも可)、色文字、網掛け文字*、蛍光ペンが引かれている文字**

なども作成しました。
*網掛け文字は形を処理するマクロでは無く,検索ウィンドウに網の色情報を入れるマクロになります。(通常の方法では検索ウィンドウに網掛け自体の情報が入れられないため)
**蛍光ペンが引かれた文字自体の検索はできますが、Wordの機能の都合で蛍光ペンの色は指定できません。

 

※上記のように処理をまとめるか・まとめないかは、データの文字情報が組版時に活かされるか・活かされないかによって変わっていきます。
→上付きや下付きなどは大半が組版時も同様に組まれているが、下線や色文字などはデータ作成時の目印として使われていることがあり、組版時に活かされない時があるため。

以上、文字情報を活用したマクロを紹介してみました。
前回紹介した隠し文字も同様ですが、こういった文字情報に関するマクロは検索・置換の機能をベースに作成するのがオススメです。
検索・置換の作成パターンがわかると、正規表現の要領でいろいろなパターンに対応できるのでとても便利です。

ただ元データの作りによっては検索・置換がかからないものが出てきたり、逆に必要の無い所も処理されてしまうことがあるので、100%情報を活かせるわけではありません。
そのため現状では全ての仕事に対して処理するのでは無く、一部の指定された仕事や文字情報を使って処理した方が適切であると判断された仕事にのみに活用しています。

 

 


ISO9001 つづき

こんにちは、江戸川工場工務のTです。
今回も、ISO9001関連のお話をさせていただきます。

ISOだけではありませんが、工場(会社)で働く上で、仕事を教える事(教育や訓練)は必要不可欠です。

よく聞く言葉で、『OJT』と言いますが“On the Job Training” で、実施を伴うもの=上司・先輩が部下や後輩に行う教育や訓練です。また、実施を伴わないもの=セミナー・講習会、研修などで『Off JT』“Off the Job Training”と言います。

江戸川工場での『OJT』の取り組みは、印刷現場の日誌に「OJT」の欄があり、機長は助手へ教えたことを記入し、助手は機長から教わった事を記入する事になっています。例えば、機長は「今日はローラーの交換を教えました。」、助手は「ローラーの交換のやり方を教わりました。」となります。

『Off JT』は、セミナー・講習会、研修など参加した場合にレポートを職場責任者に提出してもらい、それを職場責任者がコメントを記入し他の工務・現場責任者に回覧し管理責任者が評価を記入します。評価は、A(受講内容を理解し期待できる).B(受講内容を実行して欲しい).C(受講内容を活かし努力して欲しい)となっています。

また、仕事を教える事(教育や訓練)で、伝えたいことが正確に伝えられる方法で『5W1H』が活用できます。「いつ(When)、どこで(Where)、誰が(Who)、何を(What)、なぜ(Why)、どのように(How)」という6つの要素をまとめた、情報伝達のポイントです。

下記を参考に『5W1H』を意識し、教えたい、伝えたい情報の主旨が明確になります。

【例】
いつ(When) →  時間 = ○月○日PM○:○○から
どこで(Where) →  場所 = 会議室で
誰が(Who) →  教える人(主体) = 工務 Tが
何を(What) →  もの・行動 = ISOの品質目標・計画について
なぜ(Why) →  理由 = 工場内の周知と運用の為
どのように(How) →  手段(内容) = 資料を配付し説明

となります。

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自社広告を制作

デザイン編集部のKです。

今回お話しするのは自社広告の制作についてです。
(制作は同じ編集部のOさんと協同して進めました)

まず自社広告の依頼を受け、内容を整理するところから始まりました。

ラフの作成→何案かに絞る→クライアントに提出→修正…

このブラッシュアップの繰り返しでした。

回数を重ねるにつれて、広告の伝えたい意図や方向性が定まっていきます。

・会社の強み・アピールしたい点を抑える
・文章は短く簡潔に
・色数を絞り目を引くビジュアルに

最終的にこれらの要素をまとめて完成したのが、以下の広告です。

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会社の長年の歴史を感じさせる重厚感、「特別な一冊」というコピーが際立つような本の素材、読者層に合わせた高級感のある落ち着いた色合いに。

文字のメリハリや可読性を意識して、読むのが苦にならない程度の情報量でまとめています。

制作時は同じ部署の方々に意見を聞き回り、実際に案を絞る参考となりました。

広告に限らず何かを制作するときは、客観的に見ることが難しいと思います。

そんな時は第三者の視点がとても大切だということを改めて感じました。

自分では気付かなかった部分が見えてきて、それを知ることが成長につながるような気がします。

 


テキスト変換で用いているマクロ【隠し文字編】

那須工場 テキスト変換課のHです。

 前回はテキスト変換の基本的な説明で終わったので,今回から応用編として普段使用しているマクロやスクリプト置換について書いていこうと思います。
 今回はまずマクロについて取り上げていくのですが,マクロとはWordやExcelに搭載されているVBA(Visual Basic for Applications)の事を指しています。

 自分にとってマクロとは,元々先輩が作ったものを使用する程度で自作するという感覚はあまりありませんでしたが,ある時お客さん作成のWordデータ内に隠し文字が入っていて,それが立て続けに出てきたことから対策を練ることとなり,後工程と相談した結果テキスト変換部署で対処する事にしよう!と決まったことがマクロを自作していくきっかけとなりました。

 今回はマクロを作るきっかけとなった,隠し文字ついて取り上げていきたいと思います。
 そもそも隠し文字とはWord文章内の設定のひとつで,修正前の文章やメモ書きといった使わない文字だけど,データ内には残しておきたい文字として,入っている事が多いかと思います。

 Wordを作成する際にはとても便利な機能なのですが,基本的に原稿では見えていない上に,テキストへ変換するとそのまま書き出されてしまうので,我々の作業においては少々厄介な存在となってしまっています。

 対処法としては,VBAの「AutoOpen」というマクロを使えば指定したマクロをWordを開いた時点で実行させることができるので,隠し文字を検索・置換するマクロを作って,AutoOpenでデータ毎に実行させようとなりました。

 メインの文章以外にヘッダーやフッター,文字枠など全ての場所に検索をかけなくてはいけないので,当時はかなり手こずりました。。
 ですがなんとか先輩とネットの力を借りて,Word上全ての場所で検索置換ができるマクロが完成したのですが,すぐに新たな問題にぶつかることになりました。。

検索置換をかけられるが,そもそもWord上で隠し文字を削除してはいけない!

 という問題です。削除してはいけないというのは,物理的に削除できない訳ではなく,データ上で文字を削除したりすると内容が変わる恐れがあるためWord上では削除しない方がよいという意味です。
 前回の勉強部屋ではExcelを例に挙げていましたが,今回はWordの隠し文字を例にして図解を作成したのでご覧下さい。


下記例は①~③の下に●の箇条書きがあるという形で,その中に隠し文字ならぬ隠し改行が入っているというパターンです。

原稿での見え方
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↑原稿では③の箇条書きが「。」で繋がっている文章に見えています。

データでの見え方
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↑一方データでは「。」の後ろに隠し文字に設定されている改行が入っており,さらに改行が入る事によって本来③の文章だったものが,●の箇条書き設定の文章として入ってしまっています。

このままでは内容が変わってしまうため,隠し文字設定の改行を削除しなくてはいけませんが,この作業をWord上でやると
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↑③の箇条書きが●の箇条書きに吸収され,③→●の箇条書きとなってしまっています。

このような現象が起きるため,Word上では目印を入れるだけにします。
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隠し文字設定の改行の前に【隠し段】と入れたままテキストに変換。
テキストに変換後,テキスト上でのスクリプト置換にて

【隠し段】\n → 削除
※\nは改行の意味

という置換をする。そうすると最終的に

③ 三つ目の例文。* 例文例文例文。
※テキスト上で箇条書きの記号は*に置き換えられる

といった形で書き出されることになります。
結果として●の箇条書きは*として間に残ってしまいますが,Word上で消えてしまう③の箇条書きは活きるので,テキストでの作業が好ましいと言えます。


 少々強引な例でしたが(笑),以上がマクロを使った隠し文字への対策法になります。
 次回以降は隠し文字以外のマクロについても書いていこうと思っていますので,よろしくお願いします。

 

 


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