刷版

こんにちは。
江戸川工場工務部Gです。

今回は、自分の担当の一つである、刷版についてお話します。刷版とは何かというと、印刷機に取り付ける版のことです。PS(Presensitized)版という、感光液が塗布されたアルミ板にポジフィルムを貼りつけて、焼き枠と呼ばれる刷版焼き付け用の機械を使ってPS版に露光します。その後、現像機に通すと、露光していない部分が印刷の絵柄として残り、露光した部分は洗い流されます。次に、絵柄の検品を行います。焼き付けた位置や、真空ボケと版のキズの有無、面付けが正確かどうかを確認し、そして、フィルムについたゴミや不要な部分を消去剤で消します。検品が終わった後、版を洗い流して、表面保護用のガム引きをして乾燥させると、刷版が完成します。刷版のミスは印刷に直接影響してしまうので、とてもシビアな工程で気の抜くことができません。

約20年前CTPが出現し徐々に移行が進み、フィルム刷版の割合は激減しましたが、フィルム時代のデータ化されていないものを再版する機会もあるので、焼き付けを行う機器や現像機、そして技術をなくしてしまうわけにはいきません。

当社では、今も、ロングセラーの学術書や漫画等をフィルム刷版で印刷させていただいています。フィルム刷版の仕組みや技術を知らない、若手社員にも継承していかなくてはいけないと思います。私の現場以外でも、完全に廃止されない技術を、それぞれの部署でお持ちではないかと思いますが、新しい技術の習得と同時に、アナログ技術の理解をすすめていくことをご提案させていただければと思います。