間違えのない入稿データの作り方

システム部MES課のSです。

「出力の手引き2015」というセミナーに参加してきました。
内容は、アプリケーションの進化に伴って入稿データの運用方法の変化と今推奨されるデータ運用の標準や、データの互換性についてです。

近年、データ作成時の保存形式が話題として多く取り上げられていた様な気がします。
ちょっと前にはEPSデータが常識でしたが、データ作成時に多くの制限がありました。(透明効果やオーバープリントと透明を使用したスポットカラーの組み合わせ、リンク画像と効果の組み合わせ など)現在では、Adobeのネイティブ形式が利用出来、制限がだいぶ緩和されてきました。
一例として
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しかし、リンク画像や使用フォントの確認は作成ユーザが入稿前に確実に行わなければいけない作業で、これを怠ると印刷に時間を要してしまったり、印刷事故に繋がる可能性があるのが現状です。
デザイナ、編集者、DTPオペレータが共通しておきたいのが入稿方法です。


そこで今回のセミナーの内容をまとめてみました。
・間違いのない入稿データの作り方
Adobe製品(Illustrator、InDesgin、Photoshop)にはパッケージ機能と言う便利な機能があります。
では、パッケージ機能とは何?と思われる方もいると思います。簡単に言うと印刷に必要なデータを1つのフォルダに収集してくれる便利な機能です。
InDesginではお馴染みの機能ですが、IllustratorCS6(CC版)から導入された機能です。(CS6のパッケージ版にはないそうです)PhotoshopもCC2014から導入されたようです。

使い方はとてもシンプル。
ファイルメニューからパッケージを選ぶだけ。
保存先を指定したらオプションのチェックを全て入れて保存します。
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Illustratorの画面

 

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InDesignの画面

 

パッケージレポートを一緒に書き出しておくと次の工程の方がわかりやすくなるので書き出す方がオススメです。

さらに、InDesignには独自のオプションがあります。パッケージと同時に指定のプリセットのPDF書き出しと下位バージョンで開く事が可能なIDML注1)ファイルを用意する事が出来ます。
IDMLは作成バージョンがない方へデータを渡す際にだけ出力する必要がある様ですが作り方によっては不具合が起きる可能性があるようです。(体裁が崩れたり文字化けをしたり)
注1)IDML…作成したバージョンより古いバージョンのInDesignで開くための保存形式


パッケージ機能を利用のする際、共通していくつかの点に注意する必要があります。
1. パッケージは複製ファイルが作られる。
…オリジナルファイルとは別に作られます。パッケージしたデータが正しく作られている事を確認したら元のファイルは削除する必要性がある。(元のファイルを削除しておかないとどちらが最終データかわからなくなってしまう恐れがあるため必ず削除します)
2. Typekitフォント注2)及びライセンスフォント注3)は収集されない。
…オンラインでAdobe CC利用環境下であれば受け渡した方もTypekitフォントをAdobeのサイトからダウンロードして利用する事が可能です。
注2)Typekitフォント…Adobe Creative Cloudで配信されている無料フォント
注3)ライセンスフォント…フォントベンダー(販売・製造者)からライセンス(使用資格)を買い取り、使用するフォント
⇔対義語:フリーフォント(無償使用を許可されたフォント)
  ※Glyps Miniなどのソフトを使えば自分でもフォントを作成出来ます。

3. 孫ファイルは収集されない。
…配置した画像の中にある配置画像は一緒に収集されないため注意が必要です。

以上の点をふまえて利用するとスムーズな入稿データが作成出来る様になります。