大きければ見やすいは、大きな勘違い?

17/03/16

編集部のBです

『対象読者が高齢なので文字を大きくしたい』
『本のタイトルは大事なので大きくしたい』
よくいただくご要望です。

ですが、その「大きく」指示は果たして望む結果を生むでしょうか?

・文字の組版において
文字を大きくすることで読みやすくする。というのは1つ大事な事です。例えば少し調べると高齢のかた向けであれば、14ポイント(19級)以上が望ましいという情報が見受けられたりします。高齢でなくても米粒以下の文字で作られた本などは、読みづらい人がほとんどだと思います。
しかし、そういった極端な話以外では文字の大きい本が読みやすいとは言い切れません。文章の見やすさを構成する条件は大きさだけでは無いからです。
改行の数、漢字の量など細かなことを踏まえたうえで、
文字の大きさ、書体、字間・行間
この3つのバランスで構成されます。

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例1は文字は大きいですが、行間は詰めました。例2は文字は小さいですが、その分行間はゆったりと取りました。果たして大きい方が読みやすいでしょうか?
考えなければならないのは、『文字を大きくしたい』ではなく『読みやすくしたい』という事では無いでしょうか?
「文字は大きくしたいけど、頁数は増やしたくないので行間は詰めて…」そんな結論に至ってしまう前に他の『読みやすくする』方法を検討してみた方が良いかもしれません。

・デザインにおいて
デザインにおいても「目立たせる為にもっと大きく!」というのうは文字と同じく、順等な判断です。しかしその際に周囲の条件を分析してみてください。デザインの構成はそれぞれの関係性から出来ています。もともと大きいものの隣で大きくしてもその効果は半減です。

いくつか例をあげてみました。

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「大きい象」は「小さいねずみ」と合わさる事で大きく見えます。
背景に柄が無い方が文字は、はっきりと見えます。
一番下の図は有名な錯視のひとつです。左の中心円と右の中心円は同じ大きさです。大きく見えるかどうか、目立つかどうかは周囲の関係からも影響を受けるものです。
要素が多い時には、作るモノの最も大切な物・アピールすべき点を絞って「小さくて良いもの」を見つけてあげることも大切な一つのアプローチですね。