デザイン時に気をつけたい著作権(1)

江戸川工務部のCです。

小説や絵画などの著作物がつくられた瞬間に著作権という権利が発生します。著作権は、著作権者の経済的な利益をまもる権利です。印刷会社が著作物を商品に使用したい場合、「複製」や「改変」に注意が必要です。

複製・・・著作権者の許可が必要、所有権者の許可もとる方が良い

改変(色修正、トリミングなどでも)・・・著作者人格権保護のため著作権者の許可が必要

*著作者人格権とは著作者の人格的な利益をまもる権利です。

日本では、著作権は著作者の死後50年で消滅します(海外では死後70年が多い)著作者がいなくなった場合、著作物はパブリックドメイン(人類共通の財産)となり、第三者による使用が可能になります。しかし、著作者が亡くなった後でも、著作者の子孫などに著作権が譲渡される場合があります。(例えば、アルフォンス・ミュシャの作品は孫のジョン・ミュシャによりミュシャ財団が設立されて商標登録をされています。これらを使用する場合は使用料をミュシャ財団に支払う必要があります)一方、著作者人格権は著作者だけの権利なので他者に渡すことはできませんが、改変の場合も現在の著作権者に許可をとった方が無難です。しかし、著作者の創作意図を尊重した改変であるかぎりほとんど問題にならないようです。

有名な「ダ・ヴィンチ・コード」の表紙にはモナ・リザが使用されています。モナ・リザは著作権者のいないパブリックドメインですが、ルーブル美術館が所有権をもちます。所有権者は複製権をもちませんが、創作物に対して公開するか、撮影を認めるか、利用の希望者と契約を結ぶことができます。ちなみに、モナ・リザの画像を撮影したカメラマンの著作権はどうなるのでしょうか?画像の場合、明確に創作意図を混入した(カメラアングルや光線の独自性 など)画像の場合は著作物となり、使用にあたり著作権者の許可が必要ですが、誰が撮影しても同じ(創作性がない)ように撮影されたものは使用しても問題がありません。

印刷会社が著作物を利用する場合、著作権者、所有者の両者の許諾が必要になります。