三報社の強み

検版において、目視による色の確認は精度にムラがあり検査品質を一定に保つのは難しいことでした。しかし近年、デジタル検版機の登場によって、人間のレベルを超えて、高い検査精度と品質を保ったままスピーディーかつ効率的に作業ができるようになりました。ベースになるマスター画像と検査画像を比較してその差異を検知するもので、刷版データ（RIPデータ）と刷り出し物との検査や、刷り出し物と抜き刷り物との検査などに活用できます。四六全判から名刺サイズまで対応が可能で、検査結果の保存もできます。デジタル検版の導入で、これからもますます品質の向上が期待できます。

主に画像中にある模様などと、刷版のアミ点の干渉が原因で発生するのがモアレです。インクジェットプリンターが主流となる今、校正段階でのモアレの確認が困難になっています。当社では2400dpiという高解像度処理が可能なプリンターを使用し、刷版を出力するための製版出力RIPデータ「1bit TIFF」をダイレクトにプリントします。オフセットにより近いアミ点で事前のモアレチェックが可能です。モアレが発生した際には極力オリジナルのディテールを損なわないように、対象となる画像データにボカシ処理を加え、印刷時のモアレによるトラブルを事前に防ぎます。

１枚の写真について、あるがままに忠実に掲載することが大切な場合もありますが、１枚の写真について、カメラマンや編集者の方が抱いているイメージに仕上げていくことが求められるときもあります。たとえば、健康な歯茎のイメージ、夕暮れの空のイメージを実現するために元の写真をクリエイティブにレタッチします。レタッチした作品には作為が感じられてはいけません。お客様のご要望に応えるために、私たちは常に技術を磨いています。

「医学書なら三報社印刷」と言われるように、当社では医学書や学術書の症例写真や臨床写真などの画像データを多数扱っています。専門書ではこれらの画像について明確かつ正確なディテールの再現を常に要求されます。医師の方や医療関係者が撮影された写真の多くは撮影状況などもさまざまなので、印刷の色域や用紙の白色度、ドットゲイン値等を計算して色調補正を行っています。

索引用の語句にマーキングを行い、責了段階で、独自技術の「索引抽出用プログラム」によりマーカー箇所をテキストデータとして抽出します。索引作成ツールで「読み仮名付加」「ソート処理」をした後、テキストデータを使用して、InDesignで組版します。