ヤレ

江戸川工場のOです。

今回は印刷会社では非常になじみ深い"ヤレ"について、印刷現場に焦点を当てて書きたいと思います。

印刷現場では印刷工程で使用できなくなった損紙を"ヤレ紙"、"ヤレ"と言います。
具体的に説明致しますと、オフセット印刷では本刷前に必ず調整段階を要します。数十枚から数百枚程の紙を使用し、表裏の見当を合わせたりインキを安定させる作業を行います。この調整段階で使用した数十枚から数百枚の印刷物は、製品として扱える物ではありませんので"ヤレ"になります。従って印刷時には必ずヤレが発生します。
又、印刷中に発生した何らかの印刷トラブルによって製品にならない印刷物もヤレとして扱われます。

ヤレは基本的に廃棄しますが、一部は印刷時の調整段階に使用します。これは本紙だけで無くヤレを少し使用することで本紙のロスを減らす為です。一般的にヤレ通しとも言われます。ヤレは一度印刷機を通した物なので、インキやパウダーが乗っている状態であり、ローラーやブランケットに影響を及ぼします。本来は最小限で抑えたい作業です。印刷機の性能自体が良くなかった昔は、何度もヤレを通して調整をしていましたが、現在は印刷機の性能が良くなり、最小限で済ませることができるようになりました。

ヤレを再度使用する場合には、本紙分にヤレが混入しないよう十分注意する必要があります。江戸川工場ではヤレが発生した際は赤いマジックを使用し、ヤレの区別がつくように徹底しています。写真は整理されたヤレです。

江戸川工場では23台の枚葉印刷機に加えて2台のオンデマンド印刷機、PPのラミネーターが稼働しています。これら全ての印刷機から一日に膨大な量のヤレ紙が発生します。工場内から出る他の廃棄物とは混合させないようにします。産業廃棄物回収業者に引き取って頂き、その後新たに製紙原料としてリサイクルされます。

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