オフセット印刷知恵袋
江戸川工務のNです。
今回は、リクエストもありましたので印刷トラブルをお伝えします。
印刷トラブルと言っても、沢山ありすぎて全てをお知らせするわけにもいかないので思いついたところ表にまとめてみました。
オフセット印刷トラブル | |||
トラブル名 | 現 象 | 原 因 | 対 策 |
裏移り (裏付) |
表面のインキが積み重ねられた紙に転移してしまう。 | インキの盛りが多い。パウダー量が不適切。積み過ぎ。デリバリの紙揃え不良。 | パウダーの散布量を調整。デリバリのファン、吸引車の調整。板取 |
ピッキング (紙剥け) |
ブランケットから紙が離れる際に紙の表面が剥がれてしまう。 | 紙の表面強度不足。インキのタック値が高い。印圧が強い | 紙の入れ替え。紙の表裏反転。インキのタック値を下げる。印刷速度を落とす。印圧を弱める。ブランケットを替える。 |
地汚れ | 版面の非画線部にインキが付着して紙に転移してしまう。 | 版面に対しての水の量が不適切。PH値が不適切。インキの乳化。機械の調整不良。 | 機械調整。水の量を調整。インキを新しい物に替える。H液の添加量の調整。 |
ゴースト | 印刷方向の絵柄の配置の問題で印刷面に濃淡が出てしまう。 | 絵柄の配置。インキの流動性が悪い。インキ着けローラーのニップ調整。 | 咥えを変更。印刷機を変更。インキにレジューサーを入れる。着けローラーのニップ調整。 |
粉落ち・油ダレ | 印刷面に油染みや油分を含んだ粉が落ち印刷面の絵柄が抜ける。 | 機械のメンテナンス不良。 | 定期的に機械の清掃とメンテナンス。 |
ダブリ | 咥え尻の文字や絵柄がダブってしまい。濃く見える。ひどい物は影がついたようにズレて印刷される。 | 爪の清掃と調整不良。紙のキズや波打。印圧の調整と仕立ての確認。 | 爪台の清掃。工場内温湿度の安定。フィーダーの調整。紙の入れ替え。回転を落とす。 |
ファンアウト (紙伸び) |
多色刷りの咥え尻の見当が合わず抜き合わせが合わない。写真等の色調不良。 | 爪の清掃と調整。紙のキズや波打。工場内温湿度。湿し水が多すぎる。 | 爪台の清掃。工場内温湿度の安定。湿し水の量を減らす。紙の交換。 |
以前、印刷情報誌を読んだ時にこんな記事が書かれていました。「依然として高い印刷会社の不良率」なんて見出しが付いていました。日本の工業製品の不良率は極めて低いらしいのです。同じ製造業でも印刷は、複雑で多種多様な製品使用が要求される得意な要素を内在されているから、完璧を期すような品質管理が極めて難しい生産環境にあるからだそうです。だからといってミスやトラブルが許されるわけではありません。江戸川工場では、機械清掃やメンテナンス、営業と工場で情報共有を行い、ミス撲滅運動を行っています。実際にトラブルが発生したときには原因を調べ様々な調整を施し対応しています。それでも気づかずに刷ってしまいご迷惑お掛けしてしまうこともありますが、その対応には全力であたらせて頂きます。
会社の中にはH-UV機や油性機とありますが、印刷トラブルに関しては同じようにあります。UV特有の物も中にはあります。今のところそういったトラブルは出ていませんので安心してますが、勉強しておかないと...