フォトショップじゃダメですか?

07/08/17

編集部のBです。

先日A3表裏の印刷物を、お客様からの完全データで入稿したいという旨を受ける機会がありました。そのお客様が使われているソフトはPhotoshopで、ちょっとした文章もすべてPhotoshopで作って入稿したいという事でした。
ちなみに普段印刷業に関わりのあるような方ではありません。

PC環境の普及によって、家庭でも様々なデータが作れる時代。
こういった事も珍しくはないかもしれません。ですがデータの特性を理解しておかないと「こんなはずじゃ無かった」の結果で終わってしまいます。
今回はこの事例に乗って、かなり大雑把ですが「フォトショップでも大丈夫ですが・・・」の考察をしてみました。

ベクターデータとビットマップデータ
印刷に使用するデータには大きく2種類、ベクターデータとビットマップデータがあります。物凄くざっくり言うとIllustratorやInDesignはベクターデータ、Photoshopはビットマップデータになります。

ベクターデータは点と線を数値化し、それをコンピュータが再現して表示。

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ビットマップデータは点の集まりで作られています。

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そのため、文字の表現も点の集まりで作られてしまうので、若干ギザギザした出かたをします。

 

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これを綺麗に出すためには点の数を増やす=解像度を上げることが解決策になります。今回の事例はあまり大きくないサイズで1枚モノでしたので、これで解決することを選択したのですが、これが100頁など量が増えると膨大な点の数になり、パソコンが処理するのに異常な時間を要します。

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Photoshopの場合、軽いデータだと出る文字はギザギザ。重いデータだと綺麗だけどパソコンが止まってしまう・・・
そんな訳で特に文字の処理にはビットマップデータはあまり推奨されません。

スミ(K)版が・・・
通常Photoshopで作業される方はRGBモードで作業されることが多く、それらを最後に一括でCMYKへ変換するのが一般的かと思います。
しかし、それだとスミ版で再現したかったものが掛け合わせのブラックになってしまいます。
少しでも版がズレると3Dのようになって、読みにくいです。

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スミ版で文字をのせるなら、背景をCMYKにした後に色のパレットがK100でできている事を確認して文字レイヤーを作ります。
さらにさらに、Photoshopでは意識してデータを作成しないとスミ版をのせることができません。
結論から言えばK100で作った文字レイヤーはレイヤーモード「乗算」でレイヤーの最上階層に作ります。「通常」のままに統合すると文字の後ろは全て白くなってしまいます。
こちらも少しでも版がズレると白が出て、読みにくいです。

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専門的に調べれば他にも解決策はあるのですが、普段印刷に関わりのない方へは説明の密度が濃すぎると伝わらないものですので、その例として大雑把な考え方をまとめてみました。

ご自分のパソコンで綺麗に見えていても、そこからのアウトプットには様々な条件が存在するものです。
お手製のデータを入稿される際には、入稿条件を確認したうえでテストデータを送られる事をお願いいたします。

 


オフセット印刷とオンデマンド印刷

30/07/17

DS部のSです。

オフセット印刷とオンデマンド印刷の一番の違いは、印刷の際に“版”を出すか、出さないかです。
版を使用して印刷するのがオフセット印刷、版を使用しないで印刷するのがオンデマンド印刷です。
オフセット印刷は“版”を使用して4色のインキ(CMYK)と他に特色を使用して印刷します。
一度に大量の印刷を行う事が出来、写真や文字が精細かつ綺麗に印刷できます。
オンデマンド印刷は“版”を使用しないので、低コスト・スピーディな対応で印刷が出来ます。
加えて、気をつけたい点を紹介します。

【オフセット印刷】
オフセット印刷時での出力用JOBの作成で、無線綴じの場合は、ノド側に裁ち落とし部分があるため、印刷時に紙の白地が出ないように、データの作りや絵柄によっては、ノド側の裁ち落とし部分のデータを作成しなくてはならないし、左右見開きの画像に関しては注意しなければならないので、途中から変更するのは大変に効率が悪く、時間が掛かってしまいます。

網代綴じ

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無線綴じ

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【オンデマンド印刷】
オンデマンド印刷時での出力用JOBの作成では印刷サイズでデータを作成し、下記の印刷サイズを選択して、JOBを作成します。

オンデマンド印刷サイズ
B版8切(270 × 381)
四六判8切(272 × 392)
AB版8切(272 × 428)
A版4切(312 × 438)
菊判4切(316 × 468)

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オフセット印刷でもオンデマンド印刷においても出力用JOBの作成時には、正確な指示がな
いとスピーディに仕事が進みませんので、正確な指示をお願いします。

 


PDFから修正することの危険性・問題点

23/07/17

システム部のKです。

最近は、カバー・表紙のデータがIllustratorではなくPDFで入稿することが増えてきました。その場合はPDFを検証し、問題がなければ印刷用PDFに変換して出力という流れなのですが、まれに「PDFから修正してくれ」と言われることがあります。
ここで最初に言っておきたいのは、PDFは完成データであり、修正することを前提としたファイル形式ではありません。PDFからの修正は原則やらないのですが、編集用データの破損や紛失でやむを得ない場合はPDFを使い修正します。
最初に、もしPDFをIllustratorで開いたらどうなるのか?どういった問題が発生するのか?といったことを綴っていこうかと思います。
たとえば・・・
Illustratorで作成した文字組みをPDFで書き出し、そのPDFをIllustratorで開くと、図のようにテキストがバラけてしまいます。行ごとにバラけることもあれば、文字単位でバラバラになることもあり、文字アキも崩れてしまいます。この状態で文字修正を行うことは不可能となります。

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また、画像も崩れます。
画像の上で透明効果(ドロップシャドウなど)を使用した場合、透明効果と画像が分割され、品質の低下につながりトラブルが発生する確率が高くなります。もちろん編集することも不可能です。

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上記で紹介した二つはかなりの可能性で発生します。これ以外にも問題はありますし、未知のリスクもありえます。
また、web用PDFの場合はRGBに変換されており画像の解像度も下がっているため、印刷できる品質に達していません。PDFをIllustratorで開いた場合、どういった不具合が出てくるかは開いてみるまでわかりませんが、まず間違いなく問題は発生します。それだけPDFを修正するのはハイリスクなので絶対にやるべきではありません。

では、PDFから修正せざるを得ない場合、どういった対応をとるか?
簡単な修正であれば対応出来る可能性があります。たとえば、大まかに文字を削除する場合はPDFをInDesignにリンクさせ、上から背景と同じ色のオブジェクトを被せ、再度PDFを書き出せば問題なく対応出来ます。

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つまり、PDFそのものに手を加えるのではなく、PDFを部品として扱えば修正の対応が取れる可能性があります。ただし、背景の状態によっては対応出来ない場合もありまし、編集用データが存在する場合、PDFと差異が発生してしまうのでデータの管理に問題が出る可能性があります。
また、Illustrator以外にもInDesignやWord&Excel、その他のソフトからでもPDFは書き出せるので、作成ソフトやPDFのバージョンによって対応できる・できない・ここまでなら出来る・・・といった違いが出てきます。

PDF入稿には大きなメリットがありますが、「PDFだから大丈夫」と過信をしていると思わぬトラブルが発生することもありますし、完成データである以上取れる対応にも限りがあります。そうならないためにも、まずはファイルのバージョン確認・検証から作業内容を理解し、正しくファイルの管理を行うことがリスクの低減につながり、結果的に品質の向上に繋がるということを意識して、日々の作業に取り組んでいきたいです。

 


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