書体のバージョン

DS課のHです。

 主に,インデザインなど組み版ソフトを使用し,先方データのデータチェックと修正や責了・下版作業をしております。
 以前も書体関係の話は出ていると思いますが,作業をしていて書体の変更や,漢字の字形に対する修正がちらほらでてきているので,少しお話したいと思います。
 書体のバージョンで「Std/Pro/Pr5/Pr6」や,バージョンの後ろに「N」が付いているものがあります。
 「Std/Pro/Pr5/Pr6」はアドビシステムズ社が日本語フォント製品用に決めた規格で「Adobe Japan Character Collection for CID-keyed Fonts」に基づき作られています。

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 上記図のようにStd < Pro < Pr5 < Pr6 と登録されている文字数が違いますので,上位バージョンから,下位バージョンに書体変更すると,表示できない文字が出てくることもありますので,要注意です。
 書体をお探しの場合は,登録されている文字数の多い「Pr6」のある書体を使用すると,後々漢字の旧字体や記号類などが数多く登録されていますのでお勧めです。
 問題なのが,2004年に改定されたJIS X 0213:2004規格で作られている「N」の付いているJIS2004字形の書体です。JISの例示字形と表外漢字字体表の印刷標準字体とが異なっている178字のうち,168字を印刷標準字体に変更し,10字を新たに追加しているそうです。
 例として,変更された168字を「小塚明朝 Pro R」と「小塚明朝 Pr6N R」でどのような違いがあるか下記表にしてみました。

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 わかりやすい所ですと,しんにょう(辶)の点が2点(辶)になっていたりと,結構字形が変わっています。このように,同じ文字でも書体の規格により大きく字形が変わってしまうものもあるので,要注意して,書体変更の際は確認することが大事です。「N」の付いている書体は,書体名で違いが判断出来るのですが,問題なのが,PCやOSのバージョンなどにより,同一名書体で,規格が異なる書体があるので,データ入稿の際は特に,データ作成者のPC やOS のバージョンや使用書体名などのチェックが重要です。チェックシートが付いているとより安全に作業が出来ます。
 書体バージョンにより字形が変わってしまう事を理解することが大事たど感じましたので,今回お話しいたしました。最後までお読みいただきありがとうございます。