印刷の線数について

江戸川工務のです。

今回は、印刷の線数について書きたいと思います。

線数とはスクリーン線数とも呼ばれ、1インチの中に入っている網点の数で、単位は「lpi」(line per inch)・「線」が使われます(例:175lpi・175線)。線数が高い(数値が大きい)程、肉眼での網点が目立たなくなりクオリティの高い印刷物になります逆に線数が低いと網点が目立つようになり粗い印象になります。

線数の高い印刷物は、通常はカタログ、カラー雑誌、パンフレットなどのカラーもので、主にコート紙やアート紙を使用する仕事に適しており、極め細やかで鮮やかな色調を再現することが出来ます。その一方で、新聞紙やザラ紙のような紙はインキを吸いやすい(=にじみやすい)ので線数を高くする(=網点と網点の間隔を短くする)と、網点同士が接近しすぎて、印刷がつぶれた状態になり、仕上がりが汚くなっていまいますので、わざと線数を落とす必要があります。よって、弊社ではそのような案件については、133線で出力しています。

通常は、以上のような線数を使用していますが、300線以上の高精細印刷も存在します。高精細印刷では、通常よりも網点が細かい分、175線では再現不可能な部分も色調再現が可能になるというメリットをもっています。また、従来の175線で目立っていた人肌のザラツキ感や髪の毛のガサツキ感も解消されて、「モアレ」(網点同士がぶつかって干渉して発生する縞模様)や「ロゼッタ模様」(カラー印刷物をよく見ると見える、小さな亀甲模様)と呼ばれる現象も軽減されます。この様に高精細印刷は従来の175線に比べて、優れているので全ての印刷物を高精細印刷にできれば良いのですが、高精細になるほどちょっとした環境の変化でドットゲインが変わる為、印刷の濃度を安定させるのが難しいです。また、通常の網点より細かいためにゴミも付着しやすく、通常の印刷よりも印刷機の精度を上げなければならず、それに伴い高い品質維持体制を要する為、多くのコストと時間がかかります。そのため通常のオフセット印刷では175線が主流となっています。

補足ですが、弊社印刷物の紙端に線数が記載されていますので、それを見れば、何線で出力され印刷されたものなのか一目瞭然です。今後は、その部分も注視して工場での刷り出し確認のチェックも行い、線数間違いによるトラブルを未然防止していきたいと思います。