版について

江戸川CTPのWです。

今回は印刷の版について書いてみたいと思います。
自分は、デジタル版下製版出力の工程を経験してきて30年近くなりました。今ではCTP、PODを担当していますが、工程の変化には大変苦労したことも多々ありました。しかし版式については根本的には変わりませんので、印刷の要でもある版について説明してみたいと思います。

●平版
はんこのように凹凸がある版ではなく、平らな版。
平らな版なので画線部と非画線部が同一平面上にあり、それを区別するために水と油の反発現象を利用する版式。版材は薄いアルミ版でできているPS版を使うのが一般的で主にオフセット印刷機で使われる版式。
当社でもオフセット印刷なのでこの版式になります。

undefined

 

●凸版
インキが付く画線部が凸状、インキがつかない非画線部が凹状になっている。印鑑のはんこと同じ原理。版材には樹脂版などが使われる。主にフレキソ印刷に使われる版式。過去には活版印刷もこの版式。

undefined

 

●凹版
凹版は画線部が凹状になっていて、凹にインキを入れ、凸状の非画線部インキを付着させません。
版胴に直接彫刻します。主にグラビア印刷に使われる版式。

undefined

 

●孔版
スクリーンを版材として使用し、画線部にインキが通過するように穴を開けます。
版をスクリーン枠にセットし、枠の内側にインキをのせ、ヘラでインキを伸ばすことで画線部の穴から下に押しだし印刷します。主にスクリーン印刷で使われる版式。

undefined

 

●無版
有形の版を使用せず、データから直接印刷する方式。プリンターやオンデマンドはこの方式になります。
当社でもプリンターやオンデマンドはこの版式になります。

undefined

 


以上が基本的に分類出来る版式になります。
今回は原点を見直せる基本的なことを書いてみましたが、原点をわすれないよう今後の仕事に精進したいと思います。