営業時に気を付けていること

営業部のNです。

 印刷の営業とは、基本ルートセールスが主体であり新規開拓がそれに続きます。一見ルートセールスは楽なように思われがちです。毎日決まった所へ行けばいいとか、苦労せずに仕事が出るとか言う方がおられますが、それは大きな間違いです。

 得意先によっては何十年来のお付き合いで、これまで何人もの営業担当者が引き継いで守ってきたお客様です。それを自分の担当の時に失ってしまう訳にはまいりません。これだけでもかなりのプレッシャーなのです。そしてこのプレッシャーこそが難敵なのです。自分の代で大事なお客様を無くしてはいけないと思うあまり、嫌われないように常にお客に媚びる、ご機嫌を取り、言いなりの営業になってしまうのです。そして気がつけばお使いに近い営業。

 少なからず自分にも思い当たる節がある、と思っている営業の方もいらっしゃるのではないでしょうか。私は時々ふと思うのです、他社の営業と同じ事をしていたのでは仕事は取れないだろうなと。しかしだからと言ってどこでどう違いを出せばいいのか中々難しい問題です。頑張っている他社の営業と、やっている事はさほど変わらないならば、お客様はどういう営業を望んでいるのだろうか。

1.いざという時頼りになる営業
 得意先担当者も、窮地に追い込まれて困りきった面持ちで出て来る時があります。極端に納期がないとか、予算内で然るべき条件の物を作らなければならないなど、このような困った時の担当者は御用聞きのような営業には相談しません。この場合解決できそうな信頼できる営業に相談します。そのためには、日頃からちょっとしたアドバイスなり、別の方法なりを言っておく事が重要です。

2.ミスや失敗がない営業
 得意先担当者さんも自分の仕事で事故やトラブルは出したくない。やはり安心して任せられる営業に出したいというのが本音。ミスや刷り直しは受注を遠ざける一因です。大敵ですね。

3.仕事上ヒントとなるニュースを話してくれる営業
 これは情報という大袈裟なものでなくて良いのです。耳寄りな話とか異業種の好調例とか業界の動き、あるいは担当者さんの趣味に関連した話、何気無い世間話の中から相手の興味や仕事上知りたがっている内容を記憶しておくのです。些細な情報を提供することにより、声を掛けて下さる回数も増え、やがて受注に結びつきます。

4.気がきく営業
 これは本当にちょっとした事です。提出して欲しいという書類をお客様に言われました。そこで思い出しました、先月も同じ時期に同じ事を言われた事を。そこで翌月言われてないのにその書類を持って行くと、おお気がきくね、丁度頼もうと思っていた所だと言われました。見積りで、ある仕様1,000部の依頼が来ました。ところがこの担当者さん、後々2,000部、3,000部も出して欲しいと言う担当者さんだった事を思い出し、最初から3種類の見積りを持って行きました。すると学習能力あるね、と笑顔で言われました。

 大した事ではないですが、この積み重ねが、他社との営業に差をつける事になるのではないでしょうか。