黒のあれこれ

DS課のNです。

主に,インデザインなど組み版ソフトを使用し,先方データのデータチェックと修正や責了・下版作業をしております。

作業中に気になった『黒』について,お話ししていきたいと思います。

印刷ではCMYKというカラーを利用しますが,Cyan(シアン),Magenta(マゼンタ),Yellow(イエロー),Black(key plate)と表現されます。BlackのBが使われなかったのはBlueを連想して,紛らわしいというのが理由だそうです。

さて,印刷で使用する『黒』は『スミ』,『リッチブラック』,『レジストレーション』の3種類に分かれます。

スミ:Black(K)のインク1色だけで表現される黒を差します。文字や細かい線を印刷するときに適していますが,広範囲の塗りつぶしにはあまり適していません。

リッチブラック:CMYKすべてのインクを絶妙に配合することで,深い黒を表現できます。CMYKの比率は印刷会社ごとに違っているので注意するところです。

レジストレーション:CMYKの4色をすべて100%用いて作られる黒です。つまり「C:100% M:100% Y:100% K:100%」となり,「リッチブラック」よりもさらに深く濃い黒に仕上がります。トンボにのみ使用される色設定で,なぜこの色があるのかというとオフセット印刷等で,4色のインキを重ねて順番に刷っていく際に,トンボ(トリムマーク・断裁指示)にレジストレーションカラーを使用し,各インキの位置を合わせる目安にするためです。

上記のレジストレーションでトリムマークを作成した後,そのままの状態でイラストなどを作成してしまい『1色』で作成していたと思っていたら『4色』になっていたという場合があります。画面では判断しづらいため、対処方法としましては組み版ソフトの『分版プレビュー』で確認します。

黒1色の本で,この状態のデータを印刷されてしまうと下図,右のような状態になってしまい,今までお客さんとの原稿のやり取りで見ていた色(下図,左)とではかなりの差異が生じてしまいます。

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印刷会社にとって欠かすことのできない色なので,これからも大切にかつ慎重に取り扱っていきたいと思いました。最後までお読みいただきありがとうございます。