組版、今やむかし…

生産部のHです。

 今年も早いもので上半期が終わりました。3月入社の新人社員たちも研修期間が3か月を過ぎ、徐々に実践へと進んでいる頃ではないでしょうか。

 さて、ここ数回のブログでは「データベース」を応用した組版現場での実務を紹介しましたが、ちょっと基本に戻ってみます。
 二年ほど前ですが「いまさら計算ですか?」というタイトルのブログを書きました。「いまどき」では計算なんてですが…では何故かつての電算写植では計算が必要だったのか? 軽くですが、そこに触れてみよう思います(計算のしかたは、ブログ「いまさら計算ですか?」を参照)。

 

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★写真より

 

 画面には上記のような命令文が並んでます。解説しますと、
1.「指1」から「符復1」までが、版面を構成する最小限の指令となります。
2.「728-1028」→仕上りサイズ
3.「600-844.5」→版面サイズ
4.「1-2-46-288-24」→横組み・二段組み・46行・行長288Q・段間24Q
5.「Y12Q行オ18.5」→本文グリッドの指定(横12Q行送り18.5H)
…と、こんな感じ

 「4と5」の指定をもとに「3」の数値を出します。この計算が狂うとエラーとなり組処理の中断やガタガタなものが出てきます。つまりは、この計算が出来ないと確認用のプリント出力も出来なかったのです。この辺りは実にキッチリとした組版って気もしますね。
 こういった計算だけは、今の人にも理解をして欲しいところです。

 

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フロアに残る最古の機械

 

 これは基本的にテキストエディターの機能しか無いので、出来上がりの確認はプリントを出してからです。画面でプレビューを確認しながら作業する現代のDTPとはアプローチが異なって、頭の中で構図を組み立てるんですね。

 余談ですが、ワタクシの最初の機械は上記の機械からモニターと8inchフロッピーのドライブを取ったもの。本体としてはキーボードのみ、そこに紙テープをセットする装置があるだけでした。紙テープは「記憶媒体」です。

 

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入力用のさん孔テープ(紙テープ)

 

 モニター無しなので集中力がすべてですね(笑)今日ではAdobeのCreativeCloudを使って仕事をしているのですから、もう何十年…組版をやってるのだろう・・・

 個人的には、そろそろ第二の人生って気もしますが、また次回では何か役立つモノを紹介できると良いですね