3つの認証マークについて

江戸川工場工務部のNです。

皆さんは江戸川工場が「グリーンプリンティング」や「FSC」という環境に配慮した資格をもつ事をご存じでしょうか。
最近「SDGs」という言葉をよく耳にしますが、企業の環境に対する責任が高まっている風潮を感じますね。私たちのお客様の中にもエンドユーザーへのアピールに繋げたいと感じていらっしゃる方は多いはずです。三報社がお客様に付加価値のある印刷をご提案できるように、それぞれの認証資格について勉強しましょう。

1.グリーンプリンティング(GP)認定工場とは?
日本印刷産業連合会が定めた事業所全体及び工程別の環境配慮基準(グリーン基準)を達成した工場です。認定基準は、オフセット印刷部門で70項目に及び、有害物質の削減、省資源・省エネルギー、物質循環・生物多様性の保全などで一定以上の成績を取得する必要があります。環境マークの多くが、紙やインキなどの資材、または製造工程の一部を対象にしたものに対し、GPマークは資材から工程までを網羅した総合的環境配慮マークの意味があります。
【例えばどんなことをやっているの?】
江戸川工場では印刷機の湿し水などの工場の廃液やインキの残肉を、処理業者に有料で依頼して廃棄しています。用紙や版といった資材のリサイクルも行っています。
【要求レベルの高い資格なので信頼性が高い】
審査で求められるデータや書類もとても多く整合性の確認もシビアなので、認証としての信頼性はとても高いと感じています。3年に1度の更新が必要になります。三報社は2007年に取得しました。

2.FSC認証工場とは?
FSCとは国際的な森林管理の認証を行う協議会のことで1993年に創設されたNGOです(本部はドイツ)。生産を行う森林や製品、流通過程の評価、認定、監督を行い森林認証制度の運営をしています。認証には、二つあり、FM認証は森林の管理を対象とし、認証森林の林産物を加工・流通過程の管理を対象としたCoC認証は林産物がFSC認証森林(FM認証)のものであることを保証しています。江戸川工場は、CoC認証です。簡単に言うと、環境に配慮した用紙を使用した印刷の国際的な証明になります。
【具体的にはどんなことをやっているの?】
FSC認証製品を使用した証拠(納品書、請求書)を保管し、印刷、製本時においては損紙をどれだけ抑えることができたかを数値で証明しています。
【国際的な資格なので認知度が抜群】
環境認証では最も多く使われているイメージがあります。日本だけではなく世界的な認証なので、訪日外国人観光客向けの商品に記載した場合でも理解されやすいと思います。毎年の更新が必要になります。三報社は2014年に取得しました。

〈認証資格ではないけど…〉
3.植物油インキマーク
印刷インキ工業連合会による規定をクリアした植物油インキを使用した印刷に用いられます。枯渇資源である石油系溶剤の代わりに、大豆油などの食用油や、非食用の亜麻仁油などを含めた植物油全般でつくられたインキのことです。枚葉インキ:20%以上(但し、金、銀、パール、白:10%以上)各種UVインキ:7%以上の含有比率を基準としています。植物油は、石油系の溶剤に比べて生分解性があり、VOC(揮発性有機化合物。大気汚染の原因となる。)の排出もほとんどなく環境負荷低減に寄与しています。現在はオフセットインキのほとんどが植物油インキ対応製品となっているのでマークは掲載しやすいです。
【具体的にはどんなことをやっているの?】
三報社で購入しているインキは全て植物油インキです。UVインキについては石油溶剤をほぼゼロにしたものでノンVOCインキと呼ばれるものを使用して、より環境にやさしいインキになります。ノンVOCインキは統一したマークがあるわけではなく各社が色々なマークをつくって掲載しています。つまり、三報社オリジナルのノンVOCインキマークを作り使うことも可能です。

今回は、3つの認証マークについてのみ簡単な説明をさせていただきましたが、ストーンペーパーなど、木材を使用しない紙など環境に配慮した商品は続々と登場しています。私たちは常に新しい情報を入手し、お客様に最適な印刷をご提案できるよう努めたいと思います。