色と環境光

システム部のIです。

 今年の3月中頃、栃木県にある那須工場に行った時のこと・・・。
 新しく設置されたカラープリンターのカラープロファイルを作りのため、蛍光灯4本抱えて新幹線に乗り込みました。別に那須工場に照明器具がないということではありませよ。天井を見るとLED様たちが煌々とフロアーを照らしてくれております。
 では何故に蛍光灯を抱えて那須工場に出向いたかというと、我々が持参した蛍光灯は「色評価用」。その名の通り、色を評価するのに適した蛍光灯で、色評価に関わる環境光として基本的な部分です。

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 ということで、那須工場に到着するやいなやプリンターを設置してあるフロアーの一角の小部屋に持参した蛍光灯をセットしました。
 早速カラープロファイルの作成にとりかかり、プリンターと小部屋の間を行ったり来たり。ターゲットとなる色調とのマッチングは、なかなか一発では決まりませんので、測色しては出力の繰り返し。その度にターゲットと色を見比べて煮詰めていきます。

 そんな作業の中、当然の事なのですが、LEDの蛍光灯がセットされているプリンターのところからプリントされた色を見ながら歩いていると、色評価用の蛍光灯がセットされている隅っこの小部屋にたどり着いた途端に色がガラッと変わるのがこれまた面白い。この現象、普段「色」に関してあまり関わりがない那須工場のオペレータに色と環境光の関わりを知ってもらうのには打ってつけと思い、プリントを持たせて小部屋がある隅っこのほうまで歩いてもらいました。
 その結果・・・「オォ!」ナイスリアクション。環境光で色が左右されてしまうことが、わかってくれたと思います。プリンターのところから小部屋までは地続きなので余計に色の変化がわかりやすかったことで、よく伝わったのではないかと。

 「色」に携わる者たちの間では「色の評価」をするうえで「環境光」の整備は非常に重要で、基本的なところなんですが、一般的には「色評価用」の蛍光灯の存在自体を知らない人のほうが多いのが現実なのかもしれませんね・・・。
 色の評価をする前に、一度「環境光」について考えてみるのも必要だと思いませんか?