モアレが出た。

システム部のIです。

先日、テレビを視ていた時のはなし・・・。
ある出演者が着ていたジャケットを「そんな柄の着ちゃって・・・」などと思いながら視ていたら、案の定「ぼよよ~ん」モアレ出まくり。結構前にも共演者から「テレビ考えて服選べよ」なんてツッコまれていた人がいたっけ。
意地悪く、モアレを意識してテレビを視ているとチョイチョイ出てたりするもので、細いストライプ柄の衣装とか、建物の外壁、屋根とか。モアレは一定周期、一定間隔で規則的に並んでいるもの同士が干渉することで発生していまうもの。テレビの場合は、画面の走査線と被写体の規則的な模様などが干渉してモアレが発生してしまうのだ。

このモアレ、印刷現場でも度々お目にかかる現象で、画像中の被写体の着てる服とか、建築物、印刷物からスキャンしたデータなどなど、データに規則性を持ったものが含まれていると、プレス用データで出力される網点と干渉してしまいモアレが出てしまう。
これは、プレス用データで一般的に使用される網点がAMスクリーンと呼ばれるもので、網点が一定間隔で規則的に並んでいるのが特徴であるため・・・。テレビ画面でいうところの走査線にあたる感じでしょうか。

では、このモアレを回避するためにはというと・・・

①とりあえずボカす!
画像データであればPhotoShopでモアレ発生個所の部分をマスキングしてボカす(ほどほどにネ)!部分的にあたかもピンボケした様な状態にして網点と干渉してもモアレが目立たない様にする。

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②網点をFMスクリーンで出力する。
FMスクリーンは、AMスクリーンの網点が一定間隔で規則的に並んでいる、網角度がある、スクリーン線数があるのとは逆に、網点の間隔が一定ではなく不規則である。おまけに、網角度もなければ、スクリーン線数もないなど、モアレを発生する要素を持ってない。が、印刷色を管理するうえで少々シビアな面もあったりで、何でもかんでもFMスクリーンで・・・というは少々キビシイ。


ちなみに、要所、要所で出てくるAMスクリーンとFMスクリーンは、それぞれAM放送、FM放送になぞらえている。
AM放送の電波の周期は一定であり、振幅の大きさが変化する。対してFM放送の電波の周期は変化し、振幅は一定である。つまり・・・
AM・FM放送の周期=網点の間隔振幅=網点の大きさといった様にそれぞれ当てはめられる。
階調(濃淡)については、AMは網点の大きさで、FMは網点の密度(個数)で表現される。

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さて、画像処理でモアレを回避した場合、その後モアレの有無についてチェックをしなければなりません。その手段として、1bit-tiff出力に対応したプリンターから、印刷と同一のドット形状、出力線数(これ大事)で出力してモアレのチェックをしている次第です(一般的なプリンターでは網点出力されない、もしくは擬似網点のため、モアレのチェックが出来ません)。
ところが以前、出力線数にまつわるこんな出来事が・・・。
とある部品データにモアレが出そうなオブジェクトがあったため、いつもの様にプリンター出力をしてチェックしたところ、モアレは発生せず。
しかし後日、印刷現場からモアレが出たとの連絡が・・・。なんで??再出力をして再度確認するも、モアレは発生せず。あたふたと色々調べてみたら、原因は出力線数の違い。画像がらみの印刷の場合、出力線数は175線の頻度が高い。特に線数についてのアナウンスも無かった為、画像処理後のモアレチェックは175線出力で確認。ところが、実際の刷版出力は133線で出力したとのこと。どうやら、175線の版で印刷したら調子がツブれてしまったらしい・・・。
出力線数の違いで網点の並びの間隔が変わるため、175線で発生しなかったモアレが133線ではモアレが発生してしまったのである。

この一件、モアレの原因が出力線数の相違とは、いささか大味なケースでしたが、モアレはちょっとしたことが原因で発生してしまうケースがあるので、充分ご注意を。