書体(フォント)

DS部FN課のIです。

書体(フォント)は最近のコンピュータには当たり前のように入っており、使用用途に応じて変えて使用している事と思います。

古いコンピュータには専用のROMが組み込まれていたり、そのつどデータを読み出して使用していた時代もありました。

上記の書体はほぼビットマップ方式でした。ドットを組み合わせて作成されたフォントで、画面表示にはそれなりに使用できましたが、プリント等をするとドットがはっきり出て、きれいなものではありませんでした。

その後アウトライン系フォント(スケーラブルフォント:様々なサイズに変えてもクオリティが変わらない)の登場で、表現の幅が広がっていきました。

ただ、アウトライン系フォントの中にもいろいろあり、メジャーなところでTrueType(トゥルータイプ)・PostScript(ポストスクリプト)・OpenType(オープンタイプ)があり、他にもたくさんのフォントがあります。

印刷業界で多かったのがPostScript系のフォントです。(Windowsには対応していません)

Type1フォント(1バイト256文字で構成されています。欧文フォントが多いです)

OCFフォント(2バイト言語で使用されています。著作権が厳しくPDFに埋め込むことが出来ないことが多いです)

CIDフォント(OCFと違い文字の字形切り替えをそなえ、PDFに埋め込むことが出来るようになりました)

PostScript系フォントはプリントする場合にはプリンターにフォントを入れておく必要があり、入っていないと白く抜けたり、ガタガタな文字で出力されました。

TrueType・PostScriptの良いとこ取りのようなフォントがOpenTypeです。

MacintoshとWindowsで互換性があり、ダイナミックダウンロードのためプリンターにフォントを入れておく必要がないため、コスト面でも助かります。現在ほとんどのフォントメーカーはOpenTypeで供給しています。

その中で特にめざましいのは「フォントワークス」社でしょうか。フォントのウェブライセンスを普及させ、フォントがインストールされていないPC・スマートフォン等でウェブページ・PDFを閲覧しても、表示する書体をすべてオリジナルと同じ書体で表示できるようにしています。また、映像用にも積極的にアプローチしているようで、映画・テレビ番組等でエンドロールを見ていると、フォントワークス社の社名やロゴが出てくる事が多いです。

一般の方が一番使用しているのがTrueTypeです。いろいろなソフトウェアを購入すると付録で付いてくることが多いです。特に年賀状作成ソフトは、TrueTypeのフォントが付いてきます。

ただ付録がゆえに著作には厳しい場合が多いです。年賀状や通常の文書は問題なくプリントをできますが、PDFに埋め込んだり、ウェブ掲載しようとすると著作にひっかかり表示できなくなることがあります。また、違うソフトウェアでは書体を選択することすら出来ない事もあります。そういったフォントで作成された原稿が入稿すると、文字化け・文字抜けが発生することが多々ありますので注意が必要です。

その他にも類似した名前の書体が認識してしまう事があり、文字の間隔が空いたり、縮まる原因となります。
いろいろな要因があるので、フォントはキチンとした形で使用したいものです。


※本来の意味では「フォント」とは同形・同サイズの活字をいい、業界では「書体データ」とされています。