Scriptによる自動組版について

DS課のAです。

秋も深まり、那須高原は紅葉も進んできましたが、皆様いかがお過ごしですか?

 わが家では、結局エアコンの電源はOFFのまま、無事に?夏を乗り切ることができました。そして気づけば11月になろうとしています。
 先日は朝5時の気温が3℃ということで、久々に震え上がりましたが、氷点下じゃないことにすこしホッとしました。(まだ車の窓ガラスは凍っていません!)

 さて、この時期から来年の4月くらいまで、わが社の業務はフィーバータイムに突入し、全部署が修羅場と化します。
 今まで那須工場で大量生産するためのエッセンスなどをお伝えしてきましたが、フィーバータイム目前ではありますが、本日は大量生産するための、『Script』による自動組版に関してお話しします。

 以前、動画もアップして少し触れましたが、InDesignでの組版は基本的にScriptを使って自動組版をしています。
 もちろん社外から販売されている完璧な自動組版ソフトではありませんので、レイアウトまではできませんが、それでも十分なScriptになっていると思います。

●Scriptで出来ることを箇条書きにしてみます

  1. マスターページのテキストフレームをオーバーライドさせて文章を流す(Scriptを使わなくても出来ることですが…)
  2. 決められた箇所(例:タイトルやコラム類などのテキストフレーム内)に文字を自動で挿入する
  3. 文章中にInDesignで作成したカットや画像などのオブジェクトを、アンカー付きオブジェクトとして自動で挿入する
  4. 見出し用に作成したオブジェクトを、文字も含めてアンカー付きオブジェクトとして自動で挿入する(複数行の見出しにも対応)
  5. マスターページの柱やツメに文字を入れる
  6. ダブルノンブルができる
  7. 様々なオブジェクトの整列ができる(デフォルトの「整列」よりも細かく設定できる)
  8. 段落スタイルの正規表現を統一することができる

など、大まかにはこの様なことができます。
 こまかいScriptも多数ありますが、上記の作業が自動で出来るだけでも、相当な組版時間の短縮ができています。そしてなにより、他社の有料ソフトではありませんので、実質0円。費用対効果は絶大です!

 もちろん、自動組版のためにはテキストへのタグ付けが欠かせませんが、以前にお伝えしたとおり、テキストの変換・編集は分業制になっていますので、ルールに則って自動組版用に整ったタグ付きテキストデータができあがりますので、心配はいりません。

 Scriptを使うことにより自動組版はできますが、本当に細かい部分はオペレータの手と目と経験、そして責任感が重要になります。
 とくにわが社では、医学書や学術書の制作がメインになりますので、本を読む方も知識や経験が豊富な方がほとんどで、求められるクオリティも常に高く、日々悪戦苦闘しています。それでも苦労して仕上がった本を見るたびに感動です。
 世の中には、「この程度でいいの?」と思わせる本も散乱していますが、三報社クオリティを常に追い求めていきたいですね。


P.S.
 今回は文字ばかりで分かりづらいブログでごめんなさい。Script部分をすべて画像や図にすると膨大な量になってしまうため、省かせてもらいました。詳しく知りたい方、DS課のAまでご連絡ください。またブログ『The difference between Nasu Factory and Kameido Factory』の動画もご参照ください。ファンレターもお待ちしています。