バージョン確認の重要性

16/12/16

システム部のKです。

日々、いろいろな入稿データを検証、修正、出力していますが、まず最初に必ず行うのがバージョンの確認です。
このバージョンの確認、甘く見ていると痛い目にあう事柄です。自分が経験したこともふまえ、バージョンを確認することの重要性に関して書いていきますので、参考になれば幸いです。

自分の場合、一番触る機会が多いのがIllustratorなのですが、そのバージョンは多岐に及びます。
ここ一年、入稿した中で一番古いバージョンはIllustrator8、新しいものだとつい先日配信が開始されたCC2017のデータも入稿されています。
Illustrator8が発売されたのは1998年、実に18年前になります。なぜ、そんな昔に発売されたソフトを使うのかというと、Illustrator8の安定感は歴代バージョンの中でも屈指のものであり、高い評価をされていました。自分が入社した2004年にはすでにCSが世に出ていたのですが、「9」や「10」、そして「CS」よりも圧倒的に「8」での入稿が多かったのです。このバージョンを触ったことのある人間としては、妙な信頼感があったりもします(自分が長く使っていたというのもありますが)。
とはいえIllustrator8はオープンタイプ・透明効果に非対応ですので、CS以上がメインとなっている現在の環境そのままで進行すると、様々な不都合が生じる可能性があります。古いバージョンで作成されたデータは最新バージョンとは違ったことに気を遣う必要があります。

現在主流となっているバージョンはCSやCCですが、CSはCS6までの6つのバージョン、CCはCC2017までの5つのバージョンがあります。
先方から入稿されるデータのバージョンは様々で、ここでポイントとなるのがデータを開く際の作成バージョンの確認です。作成バージョンよりも下位バージョンで開くことはリスクが大きく当然ながらNGですが、上位バージョンで開くこともノーリスクというわけにはいきません・・・
結局のところ、作成バージョンを確認、正しいバージョンで開くことが大前提となります(※1)。
「上位バージョンで開けばとりあえず問題無いでしょ?」と思いがちですが、実際に問題は発生しています。
例えば以下の図・・・

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左側にあるグラデーションが適応された線。これはIllustratorCS6で作成されたものですが、これをそのままIllustratorCCで開くと、角の部分が欠けてしまっているのがわかります。
もちろん同一データのため線の形状・カラー設定は同じです。同じIllustratorでもバージョンが一つ違うとこのような事が起きるのです(特にCSからCCをまたぐと危ない感じです)。

こういったことを目の当たりにすると、「最新のCC2017を使っとけば安心安全!」なんてことは絶対に言えません。作成バージョンの確認は必須となるわけです。

具体的にどのようにしてバージョンの確認をするかというと、主に2つの方法があります。

一番簡単なのがファイル情報での確認です。AIもしくはEPSファイルを選択してCommand+Iでファイル情報を表示させると、保存バージョンと作成バージョンが表示されます。

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←保存バージョンと作成バージョンが違っている場合、作成バージョンで開きます。

ただし、まれに表示がない場合があるので、その場合はBridgeを使います。AIファイルをブリッジに入れればファイルのメタデータが表示されるので、そこにアプリケーションのバージョンが記載されています。

 

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↑Bridgeで開いた場合は作成バージョンのみが記載されています。

eps形式の場合、上記の方法でも不明な場合があるので、その場合はテキストエディタを使用します。ファイルをテキストエディタで開くと最初の方に「%%Creator:」という文字列があり、その後にバージョンが記載されています。

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↑「Creator」もしくは「Illustrator」で検索するとすぐに出てきます。ファイルサイズが大きい場合、開くのに時間がかかるかもしれません(※2)

Mac OSも最新バージョンの「sierra」からはCSが使用不可になりましたし、OS Xのサポートも 10.9(Mavericks)までのサポートが終了しています。
つまり、半ば強制的に新しい環境への移行を迫られているわけです。だからといって、旧環境で培ったノウハウを簡単に切り捨てることはできません。
日々、変化の求められる業界ではありますが、これからも検証・研究を続けていき、少しでもリスクの低減を図っていく必要があります。


補足
※1 Illustratorを保存するとき、下位バージョンに落として保存することが出来ますが、それをしてしまうと正しいデータではなくなってしまうことがあるのでオススメしません。本文中にもありますが、作成バージョンと保存バージョンが違っている場合は、作成バージョンで開くのが安全です。
※2 Illustratorの場合、保存形式はネイティブ形式である「Ai」が推奨されています。「Ai」形式で保存することによって、ソフトの機能を損なうことなく安全に保存することができます。