印刷現場における温湿度管理の重要性及び品質への影響について

江戸川工場のOです。

 2月も半分が過ぎ、春の陽気が待ち遠しいこの頃です。今冬も厳しい寒さと乾燥した空気に、社内でも風邪やインフルエンザが猛威を振るいました。寒さと乾燥した空気は人間だけでは無く、印刷にも影響を及ぼします。
今回は印刷と温湿度の関係について少し書きたいと思います。

 江戸川工場では十分に空調・加湿設備を整え、年間を通して室内温度25~26℃度、湿度50~65%で保つよう管理しています。これは様々な印刷トラブルを防ぎ、かつ品質を安定させる為の適正温度です。当たり前ですが一年中温度が安定しているわけではありません。特に夏と冬では寒暖差がある為、温湿度を管理していないと品質に大きな影響を及ぼす可能性があります。温度・湿度が及ぼす品質面での影響と印刷トラブルについて簡単にまとめてみました。
 温度の変化はインキのタック値とフロー値に影響します。タック値とはインキの粘りのことを言い、インキが硬くなるとタック値は高くなります。寒い時期はインキが硬くなりやすく、紙の表面をインキが剥がしてしまう「紙剥け」というトラブルが起こりやすくなります。フロー値とはインキの横への広がりを言います。インキが柔らかいとフロー値は高くなり網点が潰れ、ドットゲインに影響を及ぼします。タック値とフロー値を一定のところで押さえ込み、品質を安定させるには工場内の温度を適正内で維持しなくてはなりません。
 湿度は用紙に影響します。乾燥状態にあると静電気が発生し、用紙の搬送トラブルや紙揃えが悪くなることから裏移りが発生する事があります。逆に多湿状態だと用紙が過剰に水分含み、カールや波打といった紙の伸縮からクセがつき見当不良やダブリなどの印刷トラブルに繋がります。

 十分な空調・加湿設備を整え適正温度湿度を維持することは、安定した品質の印刷を行う上で不可欠です。又、今回は省略しますが、午前と午後でもインキつぼ内の温度が違う為、インキに影響する事があります。

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