デザインが生み出すホントの価値②

05/06/17

五反田営業所デザイン室のHKです。

前回、デザインが生み出すホントの価値(=ベネフィット)について書かせていただきました。
ベネフィットには、(機能的・情緒的)の2種類があり、これらを上手に使い『私にはこの商品(サービス)が必要だ!』と思ってもらうことが、デザインの目的です。
少し抽象的でしたので、架空のスマホをモチーフにこれらを考えてみたいと思います。


この製品『Smart Camera001』の最大の売りは、デジカメよりも高画質な写真が撮れること。
強力な手ぶれ補正でブレを抑え、オートフォーカスもとても早いので一瞬のシャッターチャンスも逃しません。

さて、このスマホを店頭にて訴求するにあたり、ベネフィットという観点からどのようなアプローチが可能なのでしょうか?
こちらも架空の店頭POPを作ってみました。

まず、A案から。

■ A案
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「画質?世界を変える?、最速0.02秒…」「4,200万画素…」など、技術的なことが中心となっていますね。
新製品らしく凄い写真が撮れそうなカメラ付きスマホだとはわかります。
しかし、カメラに詳しい人は別として一般的なユーザーに『この商品は、私にとって必要だ!』と、強い購買意識まで結びつけるのは弱い気がします。
このような商品の物理的な価値からの訴求を、機能的ベネフィットと言います。

 

次に、B案です。
■ B案
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A案よりも、このスマホを購入したら『この商品は、私にとって必要ですよ』と具体的にアプローチした案です。
『家族との思い出』をテーマしたビジュアルとキャッチコピーで、「自分の大切なものを撮りたい」「思い出を共有したい」ユーザーのそんな気持ちへ訴えるデザインにて、強い購買意識へと結びつけます。
このような人のこころに対しての訴求が、情緒的ベネフィットになります。

以上、少し極端な作例ですが、
同じ商品でも、ベネフィットの使い方によってデザインも大きく異なってきます。
どちらが良いとか悪いとかではなく、目的・用途・ターゲットによって2つのベネフットのバランスを変えますが、きちんと機能的ベネフィットを抑えたうえで、情緒的ベネフィットを使った方がより強いメッセージになるようです。
このような視点から改めていろいろなデザインを見ていくとおもしろいかと思います。

 


不透明マスクでかすれ表現

26/05/17

編集部のBです。

今回はイラストレーターの「不透明マスク」を使います。

不透明マスク機能は大雑把に言うと、マスク側オブジェクトの白い部分を表示して、黒い部分を不透明度で隠してしまう機能(反転も可能ですが今回はこの前提で。)です。

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昔からあるクリッピングマスクと違うのは、トーンの表現が可能であるという事です。

【マスク側にモノクロのトーン表現を使用すると、不透明度で表現してくれる】

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クリッピングパスと違い、複雑なものでもマスク側1枚で表現でき、大変便利です。今回はこれを利用して水墨の雰囲気のある表現を作ってみます。
先に手順として説明すると、

1.ぼかし表現を使用した文字に不透明マスクでかすれの表現を加える。
2.1を重ねて奥行きを出す。

の2工程だけです。

【元になるテキスト】

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元になるテキストに対して、アートブラシ(チョーク)で作ったオブジェクトで不透明マスクをかけます。表現として奥行きを出したいのでアートブラシの目の細かさと向きを変えたものと2つ用意します。

【A テキストにはぼかしを入れ、大きめのチョークでマスク】

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【B テキストにはAよりぼかしを入れ、方向を変えた細かめのチョークでマスク】

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さらに、水墨のにじみが広がった表現を出したいので、線で太らせて光彩で広げたものも用意します。

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不透明マスクを応用して、印鑑風も作りましょう。

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文字表現を全て重ね合わせ、和紙画像の上に配置して完成です。

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【拡大】

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暑くなって蝉も鳴き出す季節へ突入しますが、皆様お体ご自愛ください。

 


カラーユニバーサルデザインと向き合う

28/03/17

五反田営業所デザイン室のです。

東京オリンピックの開催が近づくにつれ、駅や公共施設の設備が次々とリニューアルされる今日この頃。特にサインや標識などはあらゆる条件の人々が安全で快適に過ごせるよう、ユニバーサルデザインの概念に基づいて作られていると思います。
今回はその中でも色に特化した「カラーユニバーサルデザイン(略称CUD)」についてです。

人の色の感じ方には何種類かあると言われており、その多様な色覚に配慮して、よりたくさんの人に安全で利用しやすい配色を行なった商品やサービスなどを提供するという考え方のことを「CUD」と呼びます。
色の感じ方「色覚」の種類は下図のような5種類で、それぞれに見え方が異なります。

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※色の見え方はあくまでイメージです。実際の見え方には誤差があります。

特に区別しにくい配色例として
・D型…赤と緑、オレンジと黄緑、緑と茶、青と紫、
ピンクと白または灰色、緑と灰色または黒
・P型…上記の配色に 赤と黒、ピンクと青
とされています。

また、区別しにくくなる条件としては
・使われている色の面積が小さい
・明度が低い
・彩度が低く、あざやかさに欠ける
・短時間で色を判別しなければならない時
・対象物に対する色の先入観がある時
・疲れているなどで集中力が低下している時
などがあげられるそうです。

先ほどの色の見え方の図にもあるように、タイプによって見え方がだいぶ変わってきますが、制作しながらこれらを配慮していくことはなかなか難しいです。
そこで、色覚タイプのシュミレーション機能を使うことで、もっと身近に手軽に色覚に配慮した制作が可能です。
ご存知の方も多いと思いますが、私たちの身近なソフト
Adobe Illustrator、Photoshopにて
「表示」→「校正設定」→「P型(1型)色覚」または「D型(2型)色覚」にて
擬似変換が可能です。

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※ソフトのバージョンによって各名称は異なります。

また、私たちの手元にあるスマートフォンでも、アプリで簡単に色覚の疑似体験ができるようになりました。反対に、色覚の違いがある方へ、本来の色味がどんな色なのか、CMYKなどの数値でシュミレーションしてくれるアプリなんかもあるようです。
それだけいろいろな色覚を持つ人がたくさんいるということ自体がとても身近になってきているのがわかります。
そもそもCUD自体最近のお話ではありませんが、ユニバーサルデザインを意識した街づくりがなされる今、改めて意識していくことが大切かなと思い、この記事を書かせていただきました。
シュミレーションもあくまで擬似的であって正確ではありません。
全ての制作物にこれらを網羅させることはなかなか難しいかもしれませんが
できる範囲で少しでも多くの方に見やすく利用しやすい印刷物を作るヒントになれば幸いです。

 


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