沈むにはワケがある。

21/08/17

五反田営業所デザイン室のHKです。

今年の夏は雨が本当に多いですね。私はこのお盆休みに家族で海に行ってこんがり焼くのを楽しみにしていたのですが、予定をいくら変更しても雨、あめ、アメ…気がついたら
出勤日を迎えてしまいました。
こんなに雨ばかりでは気分が沈んでしまいますよね…

沈む?

「モニタで見た時よりも印刷物も色が沈んじゃってる!」

というわけで少々無理がありますが、この現象についてどうしてそうなるかちょっと
掘り下げてみます。

モニタの色の再現は「RGB」と呼ばれる光の三原色から成り立っています。

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Red=赤、Green=緑、Blue=青の頭文字をとったもので、混ぜれば混ぜるほど明るい色へ変化する「加法混合・加法混色」の一種です。モニタ以外にデジカメで撮った写真、スマートフォンや信号機などは全てRGBで再現されています。

一方、印刷は「CMYK」の色の三原色から成り立ちます。

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C=Cyan(シアン)、M=Magenta(マゼンタ)、Y=Yellow(イエロー)そしてK=Key Plate(キープレート:元々輪郭や細部を表現するために使われていた版(プレート)のことで、主にその版では黒インクを使用してたことに由来。)の頭文字をとったもので、混ぜれば混ぜるほど理論上暗い色へ変化する「減法混合・減法混色」です。

実際、左側にRGBで再現された画像、右側にそれらをCMYKに変換した画像を比べて
みるとやはり色がくすんでいるように見えます。

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同じような二つのカラーモードでなぜ色の違いが起きるのか、それは

再現できる領域がRGBとCMYKで異なる

からなんです!下図の色度図を見ると、その違いがなんとなくわかります。

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このように、RGBよりもCMYKの方が色の再現領域がやや少ないことがわかります。
数字にしてRGBが1677万色なのに対し、CMYKは1万~2万色程度まで下がりますから、モニタでのRGB再現から印刷のCMYKへ変換すると色味が変わってガクンと沈むというワケなんです。

特にワードやパワーポイントなどOffice系のソフトは基本的にRGBカラーで作られるので、そのまま印刷へ回す際は色味が変わることに注意が必要ですね。

さて、8月も後半へ入ってきましたので、私も気分を沈めず食欲の秋へ向けて元気にお仕事に取りかからなくちゃです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

 


フォトショップじゃダメですか?

07/08/17

編集部のBです。

先日A3表裏の印刷物を、お客様からの完全データで入稿したいという旨を受ける機会がありました。そのお客様が使われているソフトはPhotoshopで、ちょっとした文章もすべてPhotoshopで作って入稿したいという事でした。
ちなみに普段印刷業に関わりのあるような方ではありません。

PC環境の普及によって、家庭でも様々なデータが作れる時代。
こういった事も珍しくはないかもしれません。ですがデータの特性を理解しておかないと「こんなはずじゃ無かった」の結果で終わってしまいます。
今回はこの事例に乗って、かなり大雑把ですが「フォトショップでも大丈夫ですが・・・」の考察をしてみました。

ベクターデータとビットマップデータ
印刷に使用するデータには大きく2種類、ベクターデータとビットマップデータがあります。物凄くざっくり言うとIllustratorやInDesignはベクターデータ、Photoshopはビットマップデータになります。

ベクターデータは点と線を数値化し、それをコンピュータが再現して表示。

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ビットマップデータは点の集まりで作られています。

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そのため、文字の表現も点の集まりで作られてしまうので、若干ギザギザした出かたをします。

 

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これを綺麗に出すためには点の数を増やす=解像度を上げることが解決策になります。今回の事例はあまり大きくないサイズで1枚モノでしたので、これで解決することを選択したのですが、これが100頁など量が増えると膨大な点の数になり、パソコンが処理するのに異常な時間を要します。

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Photoshopの場合、軽いデータだと出る文字はギザギザ。重いデータだと綺麗だけどパソコンが止まってしまう・・・
そんな訳で特に文字の処理にはビットマップデータはあまり推奨されません。

スミ(K)版が・・・
通常Photoshopで作業される方はRGBモードで作業されることが多く、それらを最後に一括でCMYKへ変換するのが一般的かと思います。
しかし、それだとスミ版で再現したかったものが掛け合わせのブラックになってしまいます。
少しでも版がズレると3Dのようになって、読みにくいです。

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スミ版で文字をのせるなら、背景をCMYKにした後に色のパレットがK100でできている事を確認して文字レイヤーを作ります。
さらにさらに、Photoshopでは意識してデータを作成しないとスミ版をのせることができません。
結論から言えばK100で作った文字レイヤーはレイヤーモード「乗算」でレイヤーの最上階層に作ります。「通常」のままに統合すると文字の後ろは全て白くなってしまいます。
こちらも少しでも版がズレると白が出て、読みにくいです。

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専門的に調べれば他にも解決策はあるのですが、普段印刷に関わりのない方へは説明の密度が濃すぎると伝わらないものですので、その例として大雑把な考え方をまとめてみました。

ご自分のパソコンで綺麗に見えていても、そこからのアウトプットには様々な条件が存在するものです。
お手製のデータを入稿される際には、入稿条件を確認したうえでテストデータを送られる事をお願いいたします。

 


デザインが生み出すホントの価値②

05/06/17

五反田営業所デザイン室のHKです。

前回、デザインが生み出すホントの価値(=ベネフィット)について書かせていただきました。
ベネフィットには、(機能的・情緒的)の2種類があり、これらを上手に使い『私にはこの商品(サービス)が必要だ!』と思ってもらうことが、デザインの目的です。
少し抽象的でしたので、架空のスマホをモチーフにこれらを考えてみたいと思います。


この製品『Smart Camera001』の最大の売りは、デジカメよりも高画質な写真が撮れること。
強力な手ぶれ補正でブレを抑え、オートフォーカスもとても早いので一瞬のシャッターチャンスも逃しません。

さて、このスマホを店頭にて訴求するにあたり、ベネフィットという観点からどのようなアプローチが可能なのでしょうか?
こちらも架空の店頭POPを作ってみました。

まず、A案から。

■ A案
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「画質?世界を変える?、最速0.02秒…」「4,200万画素…」など、技術的なことが中心となっていますね。
新製品らしく凄い写真が撮れそうなカメラ付きスマホだとはわかります。
しかし、カメラに詳しい人は別として一般的なユーザーに『この商品は、私にとって必要だ!』と、強い購買意識まで結びつけるのは弱い気がします。
このような商品の物理的な価値からの訴求を、機能的ベネフィットと言います。

 

次に、B案です。
■ B案
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A案よりも、このスマホを購入したら『この商品は、私にとって必要ですよ』と具体的にアプローチした案です。
『家族との思い出』をテーマしたビジュアルとキャッチコピーで、「自分の大切なものを撮りたい」「思い出を共有したい」ユーザーのそんな気持ちへ訴えるデザインにて、強い購買意識へと結びつけます。
このような人のこころに対しての訴求が、情緒的ベネフィットになります。

以上、少し極端な作例ですが、
同じ商品でも、ベネフィットの使い方によってデザインも大きく異なってきます。
どちらが良いとか悪いとかではなく、目的・用途・ターゲットによって2つのベネフットのバランスを変えますが、きちんと機能的ベネフィットを抑えたうえで、情緒的ベネフィットを使った方がより強いメッセージになるようです。
このような視点から改めていろいろなデザインを見ていくとおもしろいかと思います。

 


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