PDFから修正することの危険性・問題点

23/07/17

システム部のKです。

最近は、カバー・表紙のデータがIllustratorではなくPDFで入稿することが増えてきました。その場合はPDFを検証し、問題がなければ印刷用PDFに変換して出力という流れなのですが、まれに「PDFから修正してくれ」と言われることがあります。
ここで最初に言っておきたいのは、PDFは完成データであり、修正することを前提としたファイル形式ではありません。PDFからの修正は原則やらないのですが、編集用データの破損や紛失でやむを得ない場合はPDFを使い修正します。
最初に、もしPDFをIllustratorで開いたらどうなるのか?どういった問題が発生するのか?といったことを綴っていこうかと思います。
たとえば・・・
Illustratorで作成した文字組みをPDFで書き出し、そのPDFをIllustratorで開くと、図のようにテキストがバラけてしまいます。行ごとにバラけることもあれば、文字単位でバラバラになることもあり、文字アキも崩れてしまいます。この状態で文字修正を行うことは不可能となります。

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また、画像も崩れます。
画像の上で透明効果(ドロップシャドウなど)を使用した場合、透明効果と画像が分割され、品質の低下につながりトラブルが発生する確率が高くなります。もちろん編集することも不可能です。

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上記で紹介した二つはかなりの可能性で発生します。これ以外にも問題はありますし、未知のリスクもありえます。
また、web用PDFの場合はRGBに変換されており画像の解像度も下がっているため、印刷できる品質に達していません。PDFをIllustratorで開いた場合、どういった不具合が出てくるかは開いてみるまでわかりませんが、まず間違いなく問題は発生します。それだけPDFを修正するのはハイリスクなので絶対にやるべきではありません。

では、PDFから修正せざるを得ない場合、どういった対応をとるか?
簡単な修正であれば対応出来る可能性があります。たとえば、大まかに文字を削除する場合はPDFをInDesignにリンクさせ、上から背景と同じ色のオブジェクトを被せ、再度PDFを書き出せば問題なく対応出来ます。

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つまり、PDFそのものに手を加えるのではなく、PDFを部品として扱えば修正の対応が取れる可能性があります。ただし、背景の状態によっては対応出来ない場合もありまし、編集用データが存在する場合、PDFと差異が発生してしまうのでデータの管理に問題が出る可能性があります。
また、Illustrator以外にもInDesignやWord&Excel、その他のソフトからでもPDFは書き出せるので、作成ソフトやPDFのバージョンによって対応できる・できない・ここまでなら出来る・・・といった違いが出てきます。

PDF入稿には大きなメリットがありますが、「PDFだから大丈夫」と過信をしていると思わぬトラブルが発生することもありますし、完成データである以上取れる対応にも限りがあります。そうならないためにも、まずはファイルのバージョン確認・検証から作業内容を理解し、正しくファイルの管理を行うことがリスクの低減につながり、結果的に品質の向上に繋がるということを意識して、日々の作業に取り組んでいきたいです。

 


ついに4Kディスプレイ導入

17/07/17

システム部のKです。

ついに社内に4Kディスプレイを導入。
そこで、4Kディスプレイについて考えてみようと思います。

そもそも、4Kディスプレイって他のディスプレイとどう違うの?って思いますよね
現在、社内の主流はフルHD(1920×1080)ディスプレイだと思います。
近年では4K(3840×2160)ディスプレイが普及し始めてます(図1参照)。

解像度が高くなるのでより細かくキレイに描写できる様になります。
フルHDと比べて同じディスプレイ面積で2倍の情報量が表示できるってことですね。

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たとえば、下図の様に差が出てきます(図2参照)。
画像だけでなく文字もドット感がなくなりスッキリ表示されます。
つまり、ドットひとつひとつが小さくなることによって表示が滑らかになります。

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唯一のデメリットはドットが小さくなるということで文字が小さくなってしまいます。
しかし、PCの設定で文字を大きくすることが可能なので見えにくい場合は、個々で調整することにより解決できます(図3参照)。

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今回、4Kディスプレイ導入にあたり、弊社の強みである「明確かつ正確なディテールをデータ上で再現する」により良い環境が整いました。

 


Illustrator・アピアランスの利用

14/05/17

システム部のKです。

以前自分が書かせていただいた「バージョン確認の重要性」でも少し触れたのですが、自分が会社に入った2004年当時は、Illustrator8の割合が圧倒的に多かったです。その後OSXに移行し、Illustratorも頻繁にバージョンアップし、以前できなかったことが出来るようになったり難しかったことが容易にできるようになったり...月日を重ねてIllustratorは非常に便利なソフトになっています(そうとも限らないことも多々ありますが)。
特に大きな変化を感じるのがアピアランスです。アピアランス自体はIllustrator9から実装されているので新しい機能ではないのですが、この機能が登場したのをきっかけに、データの作り方に大きな変化が生じたと思います。
一つの例として、アピアランスを使った文字のアウトライン化を紹介したいと思います。

アウトライン化されたデータしかない場合、同じ書体を探して文字修正を行うのですが、最終的に非アウトラインの文字とアウトライン済みの文字が混在する形になります。
このとき大きな問題点として出力があります。アウトライン化された文字をそのままカラープリントで出力すると少し太って出力されてしまうため、文字が混在した状態だと同じ書体でも見た目に差異が発生してしまいます(※プリンターの出力解像度が原因でありオフセット印刷では全く問題ありません)。

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すべての文字をアウトライン化すればいいのですが、それだと再度修正が入った場合に文字を打ち直す手間が発生します。だからといってアウトライン化したデータとしていないデータの二種類用意するのは安全ではありません。
この場合、アピアランスを利用することで編集時はテキストを活かしたまま修正し、出力時にアウトライン化というのを効率的に行えます。
文字を選択した状態で[アピアランス]パレット[新規効果を追加]から[パス]▶[オブジェクトのアウトライン]を選択すると擬似的に文字をアウトライン化することが出来ます。

 

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(モニターの解像度や縮小率によっては画面でも文字が太くなったのを確認できます)
テキスト情報は生きているのでファイルを開くのにフォントが必要になりますが、出力時はアウトライン化が適応されます。これにより、非アウトラインで編集し、出力時にアウトライン化という作業者にとって都合のいい進め方が出来ます。
アピアランスを使うことで文字やオブジェクトの編集が効率的に行えるだけでなく、修正前の状態に戻すことも容易にできるようになります。編集作業を行う上で大事な「安全に・効率よく・直しに強い」データを作る事ができます。

比較的最近作られたデータでも、アピアランスを使わずに無理やり仕上げた非効率なデータをちらほら見かけることがあります。情報収集をしないと、バージョンアップで受けられる恩恵を知らないままになってしまいますし、以前からあった機能を活かしきれていないなんてことも多々あります。特に長い間Illustratorを使っていると、そういった部分に疎くなってしまうことがあると実感します。
日々の作業の中であたりまえに行っていることもより効率的に・安全に行える可能性があるので、一度立ち止まって作業工程を見直してみることは非常に大切なことだと実感します。

 


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