バージョン確認の重要性(InDesign)

03/03/17

システム部のKです。

前回Illustratorのバージョン確認に関して書きましたが、今回はIllustratorと並んで使用頻度の高いInDesignに関して書いていきたいと思います。
どこの部署でも言えることですが、特に自分の仕事は、頂いたデータを適切に処理し、正確に出力するということが求められます。その上で欠かせないことはいくつもあるのですが、基本的なことを書かせていただきたいと思います。

InDesignはIllustratorに比べると歴史は浅く、最初の日本語版は2002年に発売されました。日本で発売した最初のバージョンは「2」、最新バージョンが「2017」、11のバージョンが有り、最初の「2」以降はMac OS10に対応しています。同じレイアウトソフトとしてはQuarkがあり、以前はかなりのシェアを誇っていましたが、現在はInDesignが主流です。OpenTypeへのいち早い対応がInDesignを主流とした一因となっているようです。
InDesignではIllustrator同様、作成バージョンで開くことが重要になります。
バージョンによって仕様が異なっている部分があるようで、安易に上位バージョンで開いてしまうとまったくの別物に変わってしまう可能性があります。サポートが打ち切られたバージョンの場合、今後対応する見込みは殆どありません。また、InDesignは組版ソフトのため、文字組みに大きな変化が生じる可能性があります。ちょっとした違いで全体の文字組みに大きな変化をもたらすわけですから、よくよく考えると恐ろしいことです。バージョンが変わるごとに別のソフトという認識で扱ったほうが良いのかもしれません。

ファイルを開く際の注意点としては、何も考えずにダブルクリックするとIllustrator同様、インストールされている一番上のバージョンで開いてしまうためこれは厳禁です。アイコンでの判別も出来ず、インストールされている最上位バージョンのアイコンに統一されてしまいます(ただし環境によりけりで、自分がメインで使っているMacではCS5のみ正確なアイコンで表示されたりし
ます)。

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(図)アイコンから作成バージョンを確認することは不可能です。
確認する方法としては、Illustratorと同じようにBridgeに入れる方法がありますが、他にフリーウェアで自動判別するソフトがあります。「InDesign バージョン確認」で検索すれば出てくるのでそれを使用するのがオススメです。

また、InDesignではIllustratorと違い、基本的に下位バージョンで保存ということが出来ません。一応、「IDML」という形式があり、InDesignのネイティブファイル「indd」とは別形式に変換することにより下位バージョンで開くことが可能となります。CC以降であれば、Creative Cloudを経由して自動的に上位バージョンをIDMLに変換してくれる機能もあります。
ただし、inddとは違った形式になるため、意味もなく使う理由はありません。上位バージョンの新機能で作成したものが、どういった形に変換されるかわかりません。それ相応のリスクがあるため、どうしても下位バージョンで開く必要がある場合のみ使用し、基本的には使わないほうが賢明です。

そして、バージョンとは関係ないのですが、InDesignを使う上で押さえておきたい事があります。InDesignではIllustrator同様、文字をアウトライン化することが可能です。テキストを選択し、書式からアウトラインを作成...でアウトライン化することができるのですが、ここに落とし穴が・・・。テキストの選択方法により、文字アキが微妙に変わってしまうのです。また、フチ文字も見た目が変化するため、アウトライン化した後で調整する必要があります。
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(図)文字ツールからテキストを選択した場合、微妙にですがアキが生じてしまいます。

 

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(図)フチ文字をそのままアウトライン化すると線の位置がずれ、見た目がまるで変わってしまいます

一昔前、OS9がメインだった時代は「文字化けが嫌だから出力時は必ずアウトライン化!」というのが考えとしてありましたが、現在はPDFでの運用が主流となっているので、出力時に文字をアウトライン化するメリットはほぼありません。「なんかあったら嫌だし、InDesignだけど一応アウトライン化しておくか・・・」といった具合にアウトライン化してしまうと大変なことになるかもしれません。

IllustratorとInDesignは似て非なるソフトのため、使い分けが重要になります。バージョンの確認も、なんとなく確認するのではなく、「なぜ」確認するのかということをしっかりと意識し、それぞれの長所・短所・特性をよく理解し、正しい環境・正しい手順でデータを処理することがとても大事です。

 


パペットワープでの変化

23/02/17

システム部のKです。

以前Photoshopでのgifアニメーション作成を書かせてもらったのですが、パペットワープの説明を省きましたので、今回はパペットワープの機能の説明を書いてみようかと思います。この機能自体はCS5からあります。

画像は前回使った馬の銅像データを使用しました。

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こうして自由に動かして形を作っていきます。
ピンが邪魔してうまく動かせない時は右クリック後ピンを削除で消すことができ、刺す箇所は機能を使っているうちにわかってくると思います。ピンを打って固定して変形したい部分を移動って感じです。
あとはメニューに「モード」「深さ」「ピンの深さ」などの詳細設定があり、そこの設定で動きや滑らかさを変えることで細かく作っていけます。

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前回のgifアニメ作成時はこのようにして一枚一枚変化させて保存していきました。

たださすがに曲げたい部分が他の部位とくっついてしまっていると、この機能で曲げたり移動はできません。クリエイティブ等をして接合部分を分けた後にこの機能を使っていく事になると思います。単独で出来てる腕や指先等を曲げたりする作業はかなり楽になります。最初に動かしたいモノを消すクリエイティブ作業が少々大変ですが、個人的にはかなり使える機能だと思いますのでぜひ使ってみて下さい。
見ていて変化がおもしろいです。

 


バージョン確認の重要性

16/12/16

システム部のKです。

日々、いろいろな入稿データを検証、修正、出力していますが、まず最初に必ず行うのがバージョンの確認です。
このバージョンの確認、甘く見ていると痛い目にあう事柄です。自分が経験したこともふまえ、バージョンを確認することの重要性に関して書いていきますので、参考になれば幸いです。

自分の場合、一番触る機会が多いのがIllustratorなのですが、そのバージョンは多岐に及びます。
ここ一年、入稿した中で一番古いバージョンはIllustrator8、新しいものだとつい先日配信が開始されたCC2017のデータも入稿されています。
Illustrator8が発売されたのは1998年、実に18年前になります。なぜ、そんな昔に発売されたソフトを使うのかというと、Illustrator8の安定感は歴代バージョンの中でも屈指のものであり、高い評価をされていました。自分が入社した2004年にはすでにCSが世に出ていたのですが、「9」や「10」、そして「CS」よりも圧倒的に「8」での入稿が多かったのです。このバージョンを触ったことのある人間としては、妙な信頼感があったりもします(自分が長く使っていたというのもありますが)。
とはいえIllustrator8はオープンタイプ・透明効果に非対応ですので、CS以上がメインとなっている現在の環境そのままで進行すると、様々な不都合が生じる可能性があります。古いバージョンで作成されたデータは最新バージョンとは違ったことに気を遣う必要があります。

現在主流となっているバージョンはCSやCCですが、CSはCS6までの6つのバージョン、CCはCC2017までの5つのバージョンがあります。
先方から入稿されるデータのバージョンは様々で、ここでポイントとなるのがデータを開く際の作成バージョンの確認です。作成バージョンよりも下位バージョンで開くことはリスクが大きく当然ながらNGですが、上位バージョンで開くこともノーリスクというわけにはいきません・・・
結局のところ、作成バージョンを確認、正しいバージョンで開くことが大前提となります(※1)。
「上位バージョンで開けばとりあえず問題無いでしょ?」と思いがちですが、実際に問題は発生しています。
例えば以下の図・・・

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左側にあるグラデーションが適応された線。これはIllustratorCS6で作成されたものですが、これをそのままIllustratorCCで開くと、角の部分が欠けてしまっているのがわかります。
もちろん同一データのため線の形状・カラー設定は同じです。同じIllustratorでもバージョンが一つ違うとこのような事が起きるのです(特にCSからCCをまたぐと危ない感じです)。

こういったことを目の当たりにすると、「最新のCC2017を使っとけば安心安全!」なんてことは絶対に言えません。作成バージョンの確認は必須となるわけです。

具体的にどのようにしてバージョンの確認をするかというと、主に2つの方法があります。

一番簡単なのがファイル情報での確認です。AIもしくはEPSファイルを選択してCommand+Iでファイル情報を表示させると、保存バージョンと作成バージョンが表示されます。

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←保存バージョンと作成バージョンが違っている場合、作成バージョンで開きます。

ただし、まれに表示がない場合があるので、その場合はBridgeを使います。AIファイルをブリッジに入れればファイルのメタデータが表示されるので、そこにアプリケーションのバージョンが記載されています。

 

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↑Bridgeで開いた場合は作成バージョンのみが記載されています。

eps形式の場合、上記の方法でも不明な場合があるので、その場合はテキストエディタを使用します。ファイルをテキストエディタで開くと最初の方に「%%Creator:」という文字列があり、その後にバージョンが記載されています。

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↑「Creator」もしくは「Illustrator」で検索するとすぐに出てきます。ファイルサイズが大きい場合、開くのに時間がかかるかもしれません(※2)

Mac OSも最新バージョンの「sierra」からはCSが使用不可になりましたし、OS Xのサポートも 10.9(Mavericks)までのサポートが終了しています。
つまり、半ば強制的に新しい環境への移行を迫られているわけです。だからといって、旧環境で培ったノウハウを簡単に切り捨てることはできません。
日々、変化の求められる業界ではありますが、これからも検証・研究を続けていき、少しでもリスクの低減を図っていく必要があります。


補足
※1 Illustratorを保存するとき、下位バージョンに落として保存することが出来ますが、それをしてしまうと正しいデータではなくなってしまうことがあるのでオススメしません。本文中にもありますが、作成バージョンと保存バージョンが違っている場合は、作成バージョンで開くのが安全です。
※2 Illustratorの場合、保存形式はネイティブ形式である「Ai」が推奨されています。「Ai」形式で保存することによって、ソフトの機能を損なうことなく安全に保存することができます。

 


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