Illustrator・アピアランスの利用

14/05/17

システム部のKです。

以前自分が書かせていただいた「バージョン確認の重要性」でも少し触れたのですが、自分が会社に入った2004年当時は、Illustrator8の割合が圧倒的に多かったです。その後OSXに移行し、Illustratorも頻繁にバージョンアップし、以前できなかったことが出来るようになったり難しかったことが容易にできるようになったり...月日を重ねてIllustratorは非常に便利なソフトになっています(そうとも限らないことも多々ありますが)。
特に大きな変化を感じるのがアピアランスです。アピアランス自体はIllustrator9から実装されているので新しい機能ではないのですが、この機能が登場したのをきっかけに、データの作り方に大きな変化が生じたと思います。
一つの例として、アピアランスを使った文字のアウトライン化を紹介したいと思います。

アウトライン化されたデータしかない場合、同じ書体を探して文字修正を行うのですが、最終的に非アウトラインの文字とアウトライン済みの文字が混在する形になります。
このとき大きな問題点として出力があります。アウトライン化された文字をそのままカラープリントで出力すると少し太って出力されてしまうため、文字が混在した状態だと同じ書体でも見た目に差異が発生してしまいます(※プリンターの出力解像度が原因でありオフセット印刷では全く問題ありません)。

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すべての文字をアウトライン化すればいいのですが、それだと再度修正が入った場合に文字を打ち直す手間が発生します。だからといってアウトライン化したデータとしていないデータの二種類用意するのは安全ではありません。
この場合、アピアランスを利用することで編集時はテキストを活かしたまま修正し、出力時にアウトライン化というのを効率的に行えます。
文字を選択した状態で[アピアランス]パレット[新規効果を追加]から[パス]▶[オブジェクトのアウトライン]を選択すると擬似的に文字をアウトライン化することが出来ます。

 

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(モニターの解像度や縮小率によっては画面でも文字が太くなったのを確認できます)
テキスト情報は生きているのでファイルを開くのにフォントが必要になりますが、出力時はアウトライン化が適応されます。これにより、非アウトラインで編集し、出力時にアウトライン化という作業者にとって都合のいい進め方が出来ます。
アピアランスを使うことで文字やオブジェクトの編集が効率的に行えるだけでなく、修正前の状態に戻すことも容易にできるようになります。編集作業を行う上で大事な「安全に・効率よく・直しに強い」データを作る事ができます。

比較的最近作られたデータでも、アピアランスを使わずに無理やり仕上げた非効率なデータをちらほら見かけることがあります。情報収集をしないと、バージョンアップで受けられる恩恵を知らないままになってしまいますし、以前からあった機能を活かしきれていないなんてことも多々あります。特に長い間Illustratorを使っていると、そういった部分に疎くなってしまうことがあると実感します。
日々の作業の中であたりまえに行っていることもより効率的に・安全に行える可能性があるので、一度立ち止まって作業工程を見直してみることは非常に大切なことだと実感します。

 


スマートオブジェクト化

30/04/17

システム部のKです。

画像データをPhotoshopで加工する際、設定によっては拡大縮小するとデータが劣化します。拡大縮小した時にピクセルの色情報が減ったり壊れたりして劣化するため、現在はPhotoshopメニューのイメージから画像解像度のダイアログボックス(「画像の再サンプル」の選択をオフ)で幅、高さ、解像度の三つを連結させて拡大縮小を行い劣化を抑えています。

今回はPhotoshopのみで完結するパターンでの説明を書いてみました。
メイン画像(A)に貼り込み画像(B)を貼り込んでからの劣化の差を見てみます。

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これで拡大縮小の劣化を防ぐ事が出来ます。

 

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拡大して見てみるとこれだけの違いが出ています。スマートオブジェクトにする手順も楽に行えますし、photoshop完結のデータはスマートオブジェクト化しておいた方が良いかと思います。

 


バージョン確認の重要性(InDesign)

03/03/17

システム部のKです。

前回Illustratorのバージョン確認に関して書きましたが、今回はIllustratorと並んで使用頻度の高いInDesignに関して書いていきたいと思います。
どこの部署でも言えることですが、特に自分の仕事は、頂いたデータを適切に処理し、正確に出力するということが求められます。その上で欠かせないことはいくつもあるのですが、基本的なことを書かせていただきたいと思います。

InDesignはIllustratorに比べると歴史は浅く、最初の日本語版は2002年に発売されました。日本で発売した最初のバージョンは「2」、最新バージョンが「2017」、11のバージョンが有り、最初の「2」以降はMac OS10に対応しています。同じレイアウトソフトとしてはQuarkがあり、以前はかなりのシェアを誇っていましたが、現在はInDesignが主流です。OpenTypeへのいち早い対応がInDesignを主流とした一因となっているようです。
InDesignではIllustrator同様、作成バージョンで開くことが重要になります。
バージョンによって仕様が異なっている部分があるようで、安易に上位バージョンで開いてしまうとまったくの別物に変わってしまう可能性があります。サポートが打ち切られたバージョンの場合、今後対応する見込みは殆どありません。また、InDesignは組版ソフトのため、文字組みに大きな変化が生じる可能性があります。ちょっとした違いで全体の文字組みに大きな変化をもたらすわけですから、よくよく考えると恐ろしいことです。バージョンが変わるごとに別のソフトという認識で扱ったほうが良いのかもしれません。

ファイルを開く際の注意点としては、何も考えずにダブルクリックするとIllustrator同様、インストールされている一番上のバージョンで開いてしまうためこれは厳禁です。アイコンでの判別も出来ず、インストールされている最上位バージョンのアイコンに統一されてしまいます(ただし環境によりけりで、自分がメインで使っているMacではCS5のみ正確なアイコンで表示されたりし
ます)。

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(図)アイコンから作成バージョンを確認することは不可能です。
確認する方法としては、Illustratorと同じようにBridgeに入れる方法がありますが、他にフリーウェアで自動判別するソフトがあります。「InDesign バージョン確認」で検索すれば出てくるのでそれを使用するのがオススメです。

また、InDesignではIllustratorと違い、基本的に下位バージョンで保存ということが出来ません。一応、「IDML」という形式があり、InDesignのネイティブファイル「indd」とは別形式に変換することにより下位バージョンで開くことが可能となります。CC以降であれば、Creative Cloudを経由して自動的に上位バージョンをIDMLに変換してくれる機能もあります。
ただし、inddとは違った形式になるため、意味もなく使う理由はありません。上位バージョンの新機能で作成したものが、どういった形に変換されるかわかりません。それ相応のリスクがあるため、どうしても下位バージョンで開く必要がある場合のみ使用し、基本的には使わないほうが賢明です。

そして、バージョンとは関係ないのですが、InDesignを使う上で押さえておきたい事があります。InDesignではIllustrator同様、文字をアウトライン化することが可能です。テキストを選択し、書式からアウトラインを作成...でアウトライン化することができるのですが、ここに落とし穴が・・・。テキストの選択方法により、文字アキが微妙に変わってしまうのです。また、フチ文字も見た目が変化するため、アウトライン化した後で調整する必要があります。
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(図)文字ツールからテキストを選択した場合、微妙にですがアキが生じてしまいます。

 

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(図)フチ文字をそのままアウトライン化すると線の位置がずれ、見た目がまるで変わってしまいます

一昔前、OS9がメインだった時代は「文字化けが嫌だから出力時は必ずアウトライン化!」というのが考えとしてありましたが、現在はPDFでの運用が主流となっているので、出力時に文字をアウトライン化するメリットはほぼありません。「なんかあったら嫌だし、InDesignだけど一応アウトライン化しておくか・・・」といった具合にアウトライン化してしまうと大変なことになるかもしれません。

IllustratorとInDesignは似て非なるソフトのため、使い分けが重要になります。バージョンの確認も、なんとなく確認するのではなく、「なぜ」確認するのかということをしっかりと意識し、それぞれの長所・短所・特性をよく理解し、正しい環境・正しい手順でデータを処理することがとても大事です。

 


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