PP加工とニス加工

23/04/17

 江戸川工場のOです。
 印刷物の価値を高めるPP加工(PP貼り)とニス加工(ニス引き)についてそれぞれ簡単に書きたいと思います。

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 "PP"とはポリプロピレン(PolyPropylene)の略称であり、熱で成形できるプラスチック樹脂です。比重が軽く家庭用品はじめ様々な用途で使用されており、耳にしたことがある方も多いかと思います。PP加工とは0.015mm程の薄いPPのフィルムをラミネーターにより印刷物の表面に貼ることで、印刷物の表面上をキズやコスレから保護し、見た目や手触りにも変化を持たせる加工です。書籍や雑誌等のカバーや表紙でよく見る"つるつる"したアレです。光沢があり"つるつる"手触りが特徴の「グロスPP」と、光沢を抑え"しっとり"した手触りに落ち着いた仕上がりの「マットPP」が一般的です。耐摩擦・光沢共に表面加工の中で最も高いのが特徴です。
 非常に優秀なPP加工ですが、知っておかなければならない事もあります。1つに表面上にフィルムを貼り付けることで色が変化して見えてしまうことがあります。濃度が上昇したようになり、ものによっては赤みが強く見えます。これはインキの成分による問題であり、変化自体を避けることは出来ません。よってPPによる色調トラブルを防ぐには、色の変化について事前によく知っておく必要があります。2つ目にPP加工では一般的に4/6判135kg以上の用紙を使用します。135kg以下の用紙の場合、ラミネーターでフィルムを圧着させる際の高熱によりカールやシワが発生してしまう為です。

 同様の効果を目的とした加工に"ニス"があります。OP(オーバープリント)ニスと言い印刷機に通して加工を施すことが出来ます。ツヤ(光沢)を出すグロスとツヤを抑えたマットの2種類が有り、塗ることで表面を保護します。ラミネーターを必要としないため、低コストかつ短納期で仕上げることが可能です。又、PP加工では難しい4/6判135kg以下の用紙にも加工を施すことが可能です。但し光沢や耐摩擦において表面加工の中では最も低く、PP加工と比べると大きく劣ります。

 2015年に江戸川工場にもPPラミネーターが導入されたことに際して、表面加工の中でも江戸川工場にフォーカスしてPP加工とニス加工について基本的な所を書きました。三報社では書籍を多く扱っており、表紙カバー等などで表面加工はよくみられます。印刷の現場に直接的な関わりのない方でも予備知識として知っておいて損は無いかと思います。

 


有機溶剤作業主任者

16/04/17

印刷課のです。

有機溶剤とは溶解、抽出、洗浄になどに用いる有機化合物のことで印刷では主にインキの洗浄に使用されています。工業用に使われているだけで500種類以上もあり、中には発がん性のある大変危険なものもあります。
取扱いを誤ると皮膚や呼吸器を通して体内に吸収され、中枢神経等へ作用し急性中毒や慢性中毒の健康障害を発生させることがあります。

このような有機溶剤中毒を予防するため、有機溶剤中毒予防規則が制定されており、この規則の中で選任が義務付けられている有機溶剤作業主任者は、作業に従事する労働者が有機溶剤にばく露しないように、作業方法を決定し、労働者を指揮するとともに換気装置の点検、保護具の使用状況の監視を行う等の有機溶剤中毒の予防に関して重要な役割をもっています。

また、2012年には大阪の印刷会社で従業員が胆管がんを発症し労災認定された件がありましたが、わが社では危険な第一種、二種有機溶剤は使用しておらず、非該当品に切り替えています。
しかし、非該当品とはいえ有機溶剤にはちがいないので取扱いの注意が必要です。

そしてわが社ではMSDS(安全データシート)をすぐ見られるよう作業場に置いています。
これは、自分の作業場でどのような種類の有機溶剤が使用されているのか、それらの危険有害性と取り扱う際の注意事項を把握し、安全に作業するためです。
万が一事故が起きた場合使用している有機溶剤を知っているかいないかで大きくちがい、医師に溶剤の種類を伝えることができれば適切な処置ができるからです!

絶対無事故で皆が作業できるように努力していきたいと思います。

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印刷現場における温湿度管理の重要性及び品質への影響について

10/02/17

江戸川工場のOです。

 2月も半分が過ぎ、春の陽気が待ち遠しいこの頃です。今冬も厳しい寒さと乾燥した空気に、社内でも風邪やインフルエンザが猛威を振るいました。寒さと乾燥した空気は人間だけでは無く、印刷にも影響を及ぼします。
今回は印刷と温湿度の関係について少し書きたいと思います。

 江戸川工場では十分に空調・加湿設備を整え、年間を通して室内温度25~26℃度、湿度50~65%で保つよう管理しています。これは様々な印刷トラブルを防ぎ、かつ品質を安定させる為の適正温度です。当たり前ですが一年中温度が安定しているわけではありません。特に夏と冬では寒暖差がある為、温湿度を管理していないと品質に大きな影響を及ぼす可能性があります。温度・湿度が及ぼす品質面での影響と印刷トラブルについて簡単にまとめてみました。
 温度の変化はインキのタック値とフロー値に影響します。タック値とはインキの粘りのことを言い、インキが硬くなるとタック値は高くなります。寒い時期はインキが硬くなりやすく、紙の表面をインキが剥がしてしまう「紙剥け」というトラブルが起こりやすくなります。フロー値とはインキの横への広がりを言います。インキが柔らかいとフロー値は高くなり網点が潰れ、ドットゲインに影響を及ぼします。タック値とフロー値を一定のところで押さえ込み、品質を安定させるには工場内の温度を適正内で維持しなくてはなりません。
 湿度は用紙に影響します。乾燥状態にあると静電気が発生し、用紙の搬送トラブルや紙揃えが悪くなることから裏移りが発生する事があります。逆に多湿状態だと用紙が過剰に水分含み、カールや波打といった紙の伸縮からクセがつき見当不良やダブリなどの印刷トラブルに繋がります。

 十分な空調・加湿設備を整え適正温度湿度を維持することは、安定した品質の印刷を行う上で不可欠です。又、今回は省略しますが、午前と午後でもインキつぼ内の温度が違う為、インキに影響する事があります。

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