印刷現場における温湿度管理の重要性及び品質への影響について

10/02/17

江戸川工場のOです。

 2月も半分が過ぎ、春の陽気が待ち遠しいこの頃です。今冬も厳しい寒さと乾燥した空気に、社内でも風邪やインフルエンザが猛威を振るいました。寒さと乾燥した空気は人間だけでは無く、印刷にも影響を及ぼします。
今回は印刷と温湿度の関係について少し書きたいと思います。

 江戸川工場では十分に空調・加湿設備を整え、年間を通して室内温度25~26℃度、湿度50~65%で保つよう管理しています。これは様々な印刷トラブルを防ぎ、かつ品質を安定させる為の適正温度です。当たり前ですが一年中温度が安定しているわけではありません。特に夏と冬では寒暖差がある為、温湿度を管理していないと品質に大きな影響を及ぼす可能性があります。温度・湿度が及ぼす品質面での影響と印刷トラブルについて簡単にまとめてみました。
 温度の変化はインキのタック値とフロー値に影響します。タック値とはインキの粘りのことを言い、インキが硬くなるとタック値は高くなります。寒い時期はインキが硬くなりやすく、紙の表面をインキが剥がしてしまう「紙剥け」というトラブルが起こりやすくなります。フロー値とはインキの横への広がりを言います。インキが柔らかいとフロー値は高くなり網点が潰れ、ドットゲインに影響を及ぼします。タック値とフロー値を一定のところで押さえ込み、品質を安定させるには工場内の温度を適正内で維持しなくてはなりません。
 湿度は用紙に影響します。乾燥状態にあると静電気が発生し、用紙の搬送トラブルや紙揃えが悪くなることから裏移りが発生する事があります。逆に多湿状態だと用紙が過剰に水分含み、カールや波打といった紙の伸縮からクセがつき見当不良やダブリなどの印刷トラブルに繋がります。

 十分な空調・加湿設備を整え適正温度湿度を維持することは、安定した品質の印刷を行う上で不可欠です。又、今回は省略しますが、午前と午後でもインキつぼ内の温度が違う為、インキに影響する事があります。

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紙は生きもの?

03/02/17

江戸川工場のNです。

 「紙は生きもの」なんて聞いたことがありますか?
 普段手にする本などで、そんなこと感じたことはありませんよね。例えて言えば少々極端かも知れませんが、水に濡らしてしまって紙が波打ったなんてことがありませんでしたか?

なんでそうなるのって言うのが今回の話です。
 紙は植物繊維で出来ていて、「目」が存在しています。この目は繊維の流れ方向を言っていて縦目や横目が存在しています。印刷用紙を抄造しているところは私も見た事は無いのですが、テレビで和紙を漉いている作業風景を思い浮かべれば良いのかと思います。水が上下に動くことで繊維が流れ方向に並んで目が作られています。機会があれば抄造しているところを見てみたいのだけど... この目は本を作る上で大変重要な要素です。ページのめくりやすさ、折り目など仕上がりに影響してしまいます。たまに逆目なんてのもありますが、ページ物の場合は、基本的に縦目で作られます。

 この目は、湿度(水分)が高いと吸収して伸びてしまい、低いと縮んでしまいます。繊維が呼吸するかのように目方向に伸縮を起こし、縦目の紙は天地方向に横目の紙は左右方向に伸縮してしまい、そんな伸縮してしまった紙を、「波打」「おちょこ」「カール」なんて言葉で表現しています。いずれも紙に含まれる水分量で、伸縮してしまうことからこのような言葉が生まれ、「生きもの」と称されているようです。また、印刷では紙に対して圧を掛けて印刷することから、湿度による伸縮と印圧によって、見当不良やダブリなどのトラブルに繋がることもあります。

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 さてそんな「紙」の扱いですが、湿度によって伸縮を起こしてしまう紙は、湿気対策のためにワンプに包まれて入荷されてきます。江戸川工場では工場内の温度を25~26℃、湿度を50~65%に年間を通して維持できるよう努め、印刷時と同じ環境に紙を寝かせることで紙の伸縮などのトラブル予防を行っています。
 今の季節は乾燥することによる静電気に、梅雨時には湿気からのトラブルと悩ませられることもあり、生きものとして考えると時として非常に扱いにくいこともある代物です。

 話がズレますが、ストーンペーパーなるものをちょっと前に印刷しました。石灰石が主原料となっているエコな「紙?」なのです。先日テレビ「ワールドビジネスサテライト」でもLIMEXなる石の紙が紹介されていました。一般的に使われている紙は、1屯作るのに水を100屯、木を約20本必要らしいのです。水を使用しない・木を伐採しない・CO2の削減と、従来の紙に比べ格段にエコな紙で、これから伸びてくる紙なのかなぁってところです。まだまだ、課題も残されている紙ですが、要注目です!!

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江戸川工場の設備

26/11/16

江戸川工務のOです。

 今年の3月に富士ゼロックス製カラーオンデマンド印刷機「DocuColor 8000AP」に替わり富士ゼロックス製カラーオンデマンド印刷機「Color 1000 i Press」を導入致しました。
 三報社は殆どが枚葉オフセット印刷機の為、存じ上げない方も多いと思いますがとても優れた印刷機なので簡単にご紹介致します。

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 オフセット印刷とは対照的に版を必要とせず小ロットに特化し、低コストかつ短納期で印刷できるオンデマンド印刷ですが、歴史は浅く15年程度と言われています。それ故、完成されたオフセット印刷とは違い、印刷機としてまだまだ発展途上で品質をはじめ多くの問題点を抱えています。
 私自身これまでは「オンデマンド印刷だから」と限界を感じていたこともありましたが、「Color 1000 i Press」の導入によりそれらいくつかの問題が改善されました。

◇品質の向上
 通常オフセット印刷がインキ(ジェル状)で刷るのに対してオンデマンド印刷ではトナー(粉)を使用して印刷する為、カラー写真などの精細なものは網点がシャープに表現できず、オフセット印刷に比べて品質面では大きく劣ります。「Color 1000 i Press」では品質面の向上が顕著で、カラー写真でもオフセット印刷に見劣りしないほど綺麗に印刷することが可能になりました。

◇テカリの解消
 以前のオンデマンド印刷機ではトナーの付着にオイルを使用しており、オイルによる"テカリ"が大きな問題でしたが、「Color 1000 i Press」ではオイルレスになりテカリが解消されました。

◇エンボス紙に対応
 トナーを使用するオンデマンド印刷機には不向きとされていたエンボス紙(凹凸のある用紙)の印刷にも対応出来るようになりました。

◇波打ちの軽減
 オンデマンド印刷機は構造上高熱を加えるためこれまでは波打ちが起こることがありました。
 特に薄紙印刷時は波打ちがひどくオンデマンド印刷機が抱える問題の一つでしたが、「Color 1000 i Press」ではこれまでより高い冷却装置が熱量を抑え波打ちが大きく軽減されました。

◇クリアトナー印刷
 「Color 1000 i Press」では特殊トナーを使用することが出来ます。
 三報社ではクリアトナーを採用し、オンデマンド印刷機でありながらニスのような光沢や立体感のある仕上がりが可能になりました。

 品質の向上はもちろんの事、テカリ、波打ち、エンボス紙の印刷、クリアトナー印刷の対応改善によりこれまで以上に仕事の幅を広げることが出来るのではないかと思います。
 又、今回は特に触れませんが、その他に簡単な製本機能も搭載しておりオンデマンド印刷の著しい進歩には大変感心させられます。

 


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