印刷でフィルム?

工務部のTです。

いまや印刷業界の刷版方式はCTP(Computer To Plate)が主流ですが、以前はフィルムからPS版に焼き付ける方式があったことはご存じでしょうか?

弊社では数年後にはCTPを導入して20年を迎えようとしております。CTPの作業技術は日々進化し高性能化されています。その反面、フィルムを使用した刷版は減少に一途を辿り、フィルム製版に必要な道具・機材、さらにフィルムでの作業を扱える技術者も非常に少なくなりました。

今では新規でフィルムを使用することは皆無と言ってもいいくらいになりましたが、稀に再版でフィルムを使用することがあります。

今回はそのフィルム修正について少しにお話しをさせていただきます。まずは組版データ形式で大きく作業性が異なります。DTP製版されたデータが残っていれば大体の作業は可能なので苦労はしません。問題なのがアナログ製版しているものです。アナログ製版は基本的に手作業で製版されているので、組版データが存在しません。簡単な文字修正程度であればいいのですがレイアウト変更や写真の差し替えとなると手作業では不可能になり多くの時間と手間を費やします。

では、手作業で不可能なものはどうするのかといいますと、フィルムをスキャンしてデータ化します。データ化してしまえば作業性が格段に向上しますが、フィルムをスキャンするのがまた大変で、1色であればフィルムは1版ですが、4色になればフィルムが4版になりスキャン時間は単純計算で4倍になります。さらに古い設備と新しい設備で出力したフィルムでは整合性の取れない部分がどうしても出てしまいます・・・などなど、あれが大変これが大変なんて言っていたらキリがないのですが、一番の問題は先にも述べた通り、フィルム製版に必要な道具・機材が少なくなったことでしょう。おそらく、現在の設備が故障してしまうと修理不能であったり、製版用のフィルムをメーカーさんが生産を中止してしまったらそこでフィルムの再出力は終了です。

先を見据えると、いつ使用不可となってもおかしくない状況です。例えるなら「昔のビデオテープはデッキが壊れたら見られなくなってしまう」というような感じでしょうか。そうなる前にデータ変換してブルーレイディスクに保存しておくように、フィルムからデータ化してCTPへ移行することをお薦めします。

 

 


ビジネス手帳あれこれ

五反田営業所のです。

12月を目前にひかえ、今年もあと少しです。
この時期になると、文房具店や雑貨屋にいろいろなビジネス手帳が並びます。
最近では、スケジュールをアプリで管理している人も多いですが、自分は手書き派です。
来年度のビジネス手帳も先日用意しました。

ビジネス手帳にはいろいろタイプと中身がありますので、今回その違いを簡単に書きたいと思います。

ビジネス手帳には大きく分けて「ノートタイプ」と「システム手帳タイプ」の2種類があります。

・ノートタイプ
 1年ごとに買い替えるタイプのスケジュール帳です。

 【メリット】かさばらず持ち運びが便利で必要な機能がまとまっている
 【デメリット】毎年買い替える必要があり、資料などが挟めない 

・システム手帳タイプ
 中身を足して自分でカスタムして使うタイプの手帳です。

 【メリット】中身を入れ替えればずっと使えたり、自分の必要なものを足したりできる
 【デメリット】中身がすぐ破れたりする、持ち運びが重い


そして中身ですが、代表的なものに分けると3種類になります。

・マンスリー
 カレンダーと同じで日にちごとに1マスずつ仕切られた枠の中に、見開きでひと月の予定がわかる手帳

 【メリット】1か月全体の予定を把握しやすく、どの日に何の予定があるか一目でわかる。
 【デメリット】一日あたりの書くスペースが少ないので、何件も書き込むのが難しい

・レフトタイプ
 見開き1ページの左側が横の時間軸になっており、右側ページが全面メモになっている手帳

 【メリット】右側にフリースペースがあるので、詳細なメモを書くことができる
 【デメリット】1週間のおおまかな予定しか確認できない

・バーチカルタイプ
 見開きに対し横方向に日付が進み、縦軸に一日の予定を時間軸に沿って書いていく手帳

 【メリット】細かい時間ごとに予定を把握することができる
 【デメリット】時間に追われるような予定で動いていない人には向いていない


システム手帳にはいろいろと種類がありますが、目的と自分のライフスタイルに合わせて選ぶといいのかもしれません。来年の手帳をどうしようかと悩んでいる人の参考になればいいなと思います。

 


ここまでやれる?

営業のNです

営業の仕事とは正に仕事を獲る事です、本当にシンプルで分かりやすい。

この話は今から38年前の当時営業経験4年目26歳若造の私が目の当たりに見た衝撃的事実です。

普通同じ会社のベテラン営業を見習い尊敬するものですが、私の場合は得意先の営業のKさんに本当の営業の凄さをリアルタイムで見せつけられました。

そのKさんは業界11位の広告代理店に営業として働く何の変哲も無いサラリーマンでした。年齢は46歳既婚、初対面の名刺交換は素っ気ないというかぶっきら棒というか、あまりいい印象ではなかったですね、スーツ姿も決まってなかったし、でこのKさん誰もが知ってる世界的メーカー、4輪と2輪の◯ンダ技研工業を営業として攻めることになったのです。

狙うは2輪のオートバイの方です。

その後にとった行動が営業の真髄と言うか荒唐無稽というか多分誰も真似できないでしょう。毎日訪問するのは当たり前の事ですが、Kさんはなんと自動二輪の免許を取るため教習所に通い始めたのです。

46歳、普通免許すら持っていない、原チャリにも乗った事がないおっさん。

「何で自動二輪の免許を取るんですか?」と聞いたら、

K「Nちゃん何言ってるの?偉大な二輪メーカーの仕事を取るのに、免許はありません、オートバイもありませんじゃ、仕事なんか取れる訳ないでしょ、原付なんかじゃ話にならないし、仕事取るためにはやれる事全部やるんだよ」

「・・・・」

K「勿論400ccの◯ンダのバイク新車を買うから」

いや〜驚きました、仕事取るためとはいえ、ここまでやるものなのか、驚きもし、勉強にもなりました。

大変だと思いますよ会社終わって教習所通って、46歳今迄免許無し。

Kさんはメーカーの担当者さんに教習所に行ってる経緯などを話していたそうです。そして営業としての極め付きは、憧れの◯ンダのバイクに早く乗りたい、400ccなら何を買えばいいかアドバイス下さい。

こりゃ相手の担当者さんも嬉しいでしょ、Kさんはこのようにして相手の懐にドンドン入って行って、担当者さん以外の社員の方にも有名どころとなりました。

教習所を卒業して無事免許を取得、得意先担当者さんのアドバイス通りの新車バイクを購入、プロかと思うようなライダースーツ、フルフェイスで広告代理店に出勤、回り皆スーツ姿の中でKさんだけ、このかっこ、カッコいいけど完全に異様な光景。驚いた事にこのかっこで、バイク国道246飛ばしてメーカーに商談に行く。

相手もいきさつを重々承知しているから笑顔で大歓迎、メーカー主催のイベントをいくつも成功させる。しかもこのKさん担当者さんからモトクロスのレースに出てみないか?と言われ何とレースに参加してしまう、初のレースなので70ccクラスで子供たちに混じって参加なのだが、本人は真剣そのものヤル気満々、完全に勝つ気でいたが、敢え無く惨敗、しかしメーカーの方々は大喜びの大絶賛。

イベントで発生するカタログ、ポスター、チラシ、チケット、あらゆる印刷物を私が頂きました。Kさん、ありがとうございます。

余談、とは言ってもこのKさんの仕事はかなりキツかったです。奈良県の生駒山トライアルレース会場や富士スピードウェイに納品やら校正届けなど昼夜問わずやらされましたから・・・・・。

でもトコトン仕事を取る姿勢を私はKさんから学びました。かなり昔の話ですが今の営業の皆さんに少しでも参考になれば幸いです。

 


自社のウリって何だろう

営業部のSです。

 もう15年も前のことですが、ある得意先の出版社の編集部長からいただいたアドバイスを紹介します。医学書では大手老舗出版社で、印刷会社は10社ほど出入りしています。雑誌を2点、書籍を数点受注していましたが、それ以上中々原稿が増えませんでした。

 ある日編集部長に、原稿をいただきたいこと、点数が増えないのはどうしてですかと聞いてみました。すると編集部長は、親身になってこう話されました。

 「うちは色々な印刷会社に仕事を出していますが、印刷会社は各社違っています。同じである必要は無く、それぞれの会社の良いところに合った仕事を出しています。組版が正確な所、印刷がきれいな所、スピードが早い所、金額が安い所等など・・・。全てに100点で無くて良いので、あなたの得意とする所で頑張ってください。」と・・・

 はてさて、当社の得意とする所、良い所は何だろうか? よく聞く3大要素に、「美味い、早い、安い」があります。これは大好きな牛丼のコピーですが、印刷会社の場合も同様に「品質、スピード、金額」に匹敵します。そこでこの中で最も重要な要素は何だろうと考えました。そしてそれは品質ではないかと思うのです。

 早くて安くても美味くない牛丼は、金欠の時の急場しのぎ。美味くなければまた食べようとは思いません。印刷会社でも同じでしょう。正確な組版、的確な赤字修正、きれいな印刷、ミスのないスムーズな進行管理。各工程の品質重視が得意先に安心感を与え、また食べたいと思ってもらえるのです。スピード、金額は営業の工夫でも何とか対応できますが、品質は営業と現場が一体とならないと向上しません。技術革新の続くなか終わりのない課題です。

 「あなたの得意とする所はなんですか?」今も蘇るこの言葉に自問自答し、日々誠実に営業活動を続けていこうと思っています。

 


ものがたり

営業部のOです。

ひとりぼっちな一日。こんな何も予定がない時はお気に入りの腕時計を巻き、気分転換によく街歩きに出かけます。黄色い歓声の中心にいるタピオカくんを横目に、裏路地で見つけた赤提灯でホッピー片手にいただく牛スジ煮込みは最高ですね。私はサトイモ派です。
歴史やグルメなど様々なテーマを持って歩き出すと普段とは違う街の魅力や最近の流行物を新発見できるのが楽しみです。

先日は『両国』に降り立ちました。目的は『江戸東京博物館』です。会社役員の方から仕事に通じる面白さがあると聞いて、前々から気になっていた場所です。
視野を広げて知識を深めるのも営業の勉強のうち。今回は社外学習で見てきたものを語ります。

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ペガサス級の未来感あふれる建物。6階の展示室までエスカレーターまで上ると時代は令和から江戸へ。入場してびっくりするのが、徳川家康が江戸幕府を開いた1603年に架けられた日本橋が目の前に広がります。こちらは1800年代前半当時の橋の原寸大レプリカだそうです。橋を渡りきると、賑わっている江戸の住人達(ジオラマ模型)が当時の表情そのままに迎えてくれます。
双眼鏡が完備されており、レンズを通して町を観光できます。人形の表情や着物のシワまで一体一体が細かく作られていて、当時の雰囲気や生活模様がよく伝わってきました。
『粋』な着物をきている住人捜しに夢中になり、全く飽きませんでしたよ。

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江戸が終わると、ついに幕末から明治へとうつり、文明開化が感じられる東京ゾーンへと入ります。こちらでは、現在の平成まで、時代によって東京がどのように変化していったのかがジオラマ模型の他に当時の写真や実際に使われていた実物の資料と共に、時代の移り変わりを体験できます。
平成最後の展示品がなぜメイド服だったのかが気になりましたが、出口付近にある洋食屋(三笠会館)のオムライスが自然と目に入り納得。魔法にかけられていたみたいです。

 

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一通り館内を見て回り、とても印象深く、来てよかったと思えたことがあります。それは、私も夢中になって見ていた粋な着物を江戸中に広めた『三井越後屋呉服店』の歴史を学べたことです。現在の三越の前身でもあります。
調べてみてわかったことは、1650年頃から現在までつづく豪商『越後屋』の商売には、販売方法や販促活動のアイデア、顧客との関係構築など現在のビジネスや生活にいかせるヒントがつまっていました。

有名な話ですが、越後屋は商売の常識を変えた革命児です。
当時の一流の呉服店は、注文を聞いてからあとで商品を持っていく見世物売り、屋敷を訪ねて商品を販売する屋敷売りなど、値段もお得先によって変動する訪問販売が当たり前。また支払いは、盆と暮の二節払いの掛売りが慣習でした。そのため代金を回収できない貸倒れなどで、資金の回転も悪かったようです。

そんな江戸時代におこなった販売革命がこれです。
●店舗での接客販売を行う店前売り!
商人が店舗で顧客と対面し、好みや要望、予算に合わせて商品を提示するという、いわゆる対面販売です。これにより様々な商品を比較検討をしてから購入できるようになりました。また顧客とのコミュニケーションが深まることで信頼関係ができ、更なるニーズを聞き出し、必要な分だけ売る切売りや、買ってすぐに着られる仕立売りが話題を呼んだようです。
●世界初!商品に値札付!
店舗で販売する商品には全て値札をつけました。どの顧客に対しても表示通りの価格で販売し、代金はその場での現金取引の明朗会計に。この販売方法は従来の商品価格の変動や掛売による金利から解放され、顧客に安心感を与えました。
●引札(チラシ)で江戸中にメッセージと娯楽の発信!
木版印刷された引札を配布して、年末安売イベントや新商品の情報などを紹介。
まだ娯楽の少なかった江戸に人気の浮世絵師などに依頼してメッセージ性の強い引札を配布することで、人々の買い物を楽しみをひろげ、集客につなげる。
●ブランドマークの作成!
越後屋を文字ではなく、マークとしてビジュアル可。このマークを看板や暖簾(のれん)、商品を持ち歩く風呂敷などに入れました。これにより信頼の証の越後屋マークとしてブランドイメージが江戸中に広まっていきました。

このように、相手の立場にたった売り方を考え実行したことで、江戸中を魅了した越後屋は町人から「芝居千両、魚河岸千両、越後屋千両」と呼ばれ、一日千両を売り上げるほど繁盛したようです。ちなみに千両箱は、時代により変動するみたいですが、現代の価値にすると約一億二千万円です。

「相手の立場になって考える」このシンプルな原理原則を実践し周りから応援される企業や個人がこの先の時代にも繁栄していくのではないでしょうか。
以前、他社で買った腕時計のベルトだけを買い換えたくて、伊勢丹へ持ち込んだ時の話です。時計も買わずベルトのみ。しかも他社製品‥彼らの全く売上にもならない事に嫌な顔ひとつせず、ウェルカム対応。さらに腕時計談話に飢えている私の喉を潤すサービスまでしていただき、すっかりと心を奪われファンに。こうして感動接客体験をブログにまで書かせてしまう彼らの世界一のサービス精神がものがたっています。

博物館と聞くと、どこか敷居が高く、足をはこびづらいイメージをもつ方がおおいと思います。しかし、体験しながら江戸や東京の文化を感じられる『江戸東京博物館』は、そんなイメージをくつがえす場所でした。ブログでは伝えきれませんでしたが、他にも江戸の出版事情や木版印刷で浮世絵ができるまでの工程など、興味が尽きませんでした。
誰でも楽しめる見所満載の空間に是非立ち寄ってみてください。

 


営業

営業部のNです。

私は此処まで営業職だけで来ました。営業が決して難しいと思った事はありませんが、新人の教育を任せられるようになってから、営業を教える事の難しさを知りました。
仕事の手順を教える事は簡単です。しかし仕事を取れる営業に育てるとなると話は別です。口で説明と言っても感覚的なものなので、上手く説明できませんし、本人のセンスに頼る所が大きいですね。

分かりやすく言うと、女性ってカンが鋭いですよね、そのカンの鋭さを、鈍感な人に伝授しようとしても無理なんですよ。営業にも似たようなカンが必要となるんですが、これを口で説明するのは、至難の技です。観察力、洞察力、知識、経験値、瞬時の決断力、遂行力、などが営業センスとカンを培っていくと思います。では実際にあった参考事例を話します。

33歳くらいの頃でしょうか、会社から新規開拓をするように言われました。会社が目星を付けた相手先は一部上場企業、社員15000人ディーラー含めると5万人の大企業でした。本社は新宿の超高層ビル群、狙うは印刷物発注が一番多い宣伝部宣伝課。事前の調べによると全国からトップセールス10人を召集して構成されている超エリート集団。そこの課長に会おうと決めた。

10時半に18階の受付に到着。受付のあまりの広さに度肝を抜かれる。
小学校の体育館程の面積、奥に横並びに5人の受付嬢(全員美人)、キャビンアテンダントの様な制服を着て、首にはスカーフ。笑顔、お辞儀(お辞儀の角度、背筋ピン)5人とも完璧。よく教育されている事が一目で分かる。受付嬢の正面には無数のテーブルと椅子。受付から呼び出された担当者が各階からここへ向かい所定のテーブルで商談なり打ち合わせに入るルールのようだ。

受付で新規開拓で来た事、都合が悪ければ次回のアポを取って帰りたい旨を伝えると、受付嬢が取り次いでくれた。15分ほど待てれば会ってくれるというので、当然待つ事にする。壁際に横並びにされた椅子で担当者を待つ。この15分間の観察眼が後に功を奏する事となる。

待っている間、一番近くのテーブルで話している光景を黙って眺めていた。担当者1人と反対側に業者の営業らしき2人。会社案内のようなものを広げて一生懸命説明だか、アピールをしている。
(ああ、俺と同じような新規取引を希望する業者の営業なんだろうな…あんな業者が年中来てるんだろうか?)
その光景を見ていてある事に気がついた!業者の方はかなり熱の入った話し方なのだが、担当者の方は気が入っていないような、半分上の空?である。時たま淡々とした質問が、チラホラ。ものの5分で面会終了。(これはひょっとして、同じような業者の訪問を何度も経験してウンザリしているのではないか?)

担当者の顔や態度はそのように見えた。全く同じやり方を、私自身がこの後やるつもりでいた。
(マズイぞ、かといってこれしかないだろう……。かなり焦る。時間がない、変な汗。)
手応え全くなかった業者2人のガッカリして帰る様子が脳裏に浮かんだ。
…結論!同じ事をして墓穴を掘る事程愚かな事はない。そこで会社案内は資料として渡すが、説明一切無し、設備説明無し、技術品質うんぬん無し。そしてふと、閃めいたのが、全国から選ばれたトップセールス10人、東京の本社に栄転配属された10人――その心は?

野心と貪欲な出世欲を持った者と推測した。ならば出世欲をくすぐる話しをすればいいではないか。
そうこうするうちに担当者がやって来たようだ。受付嬢が私の方を指し示す。振り返る担当者。驚いた!かなり若い(へたすると20代後半?)促されるままテーブル席へ行き、名刺交換後着席。
小柄で、穏やかに話す口調だが威圧感と重量感を感じる。雰囲気がまるで今迄のお客さんと違う、どんな状況でも物怖じしないタイプ。(…コイツ相当できる)

私が出した会社案内を見ようともせず、ちょっと横に置いただけ
I課長「うちも古くから付き合いのある業者さんを大事にしてますから、中々ねえ…。何か強烈にアピールできるようなことはありますか?」(セオリー通りなら自社の説明をするのが大方の営業がやる事だろう、それではその他大勢となってしまう)
「強烈にアピールできる事は私自身です。私を使って頂いた担当者さん、すべて出世されています。」(これはあながち嘘ではない、偶然かもしれないが、なぜか私が担当する客先担当者さんはスピード出世を果たし偉くなってしまう)
I課長「ほー、それは面白い、何か理由でもあるんですか?」
「不思議なんですが、たまたまの偶然なのか、(実際に世間の誰もが知っている4つの一流企業の名前と担当者のフルネームを言って経緯を説明した)ただ残念なのはそういう効果があったとしても、私自身にはなんの恩恵もないことです。そうそうもう一つ不思議な事があります。その4人の内の一人から『今回昇進できたのはNさんのおかげです』とお礼を言われましたが、なんのことやらさっぱりわからず、理由を聞いてもニヤニヤしているだけでした。」

最後に、I課長に「私目をどうか使ってやって下さい、死ぬ気で頑張ります。」と言って深々と頭を下げ、その場を後にしました。吉と出るか凶と出るか、全く分かりません。しかしその日の夕方5時過ぎ、I課長から「明日から来て欲しい」と電話がありました。「明日来て欲しい」ではなく「明日から」来て欲しい…と…?

その後、最初の数ヶ月は数十万程の売り上げだったものの、1年トータルでは1億7000万円程になりました。あの15分、本当に貴重な時間でした。

 


戦略について

営業部Kです。

今回は、戦略について学んだことを書いてみたいと思います。

「戦略」とは、「方法」「道筋」「計画」「プラン」「ルート」などといった言葉で示されることが多いようです。
このことから、「戦略とは、現在地と目的地を結ぶルート」と例えることができます。

「現在地(現状)」と「目的地(目標)」を明らかにし、その現在地と目的地を結びつける方法を考える。シンプルな言い方をすれば、このようなことです。

「現在地」とは、今私たちが置かれている状況です。それは、常に変化しています。優れた戦略を立てるためには、現在地の確認がとても重要なことになります。
現在地をはっきりと正確に把握しなければ、目的地もぶれてしまうのです。

目的地とは、現在地に依存した「不確かな未来」のことでもあり、本質的に「幅」を持っています。

ポイントとして

・「現在地」は客観的な事実で出来ている

・「目的地」は現在地に依存し、かつ幅のある「未来」のことである

ということです。

「現在地」を把握するために何を行なわなくてはならないかは、情報収集と分析です。特に重要な情報は、「顧客情報」だと思います。
お客様が何を望み、何に困っているのかを競合他社よりも正確に知っていれば、
自社にとっての「目的地」が決めやすくなります。

「目的地」に目標が定まれば、それに近づくための「ルート」=「戦略」を立てることが出来ます。

この情報収集と分析に関しても、正確に把握する力を養うには、かなりの努力と学習が必要になってきます。
ただ、情報収集力と分析力を身に付けなければ「現在地」である、現状の把握が不確かなものになってしまい、不確かな「目的地(目標)」にしかなりません。
これでは、戦略も不確かで頼りないものになります。

私の読んだ本の中に、次のようなコラムがありました。

 フェラーリの競合とは?

 「フェラーリと言えば超高級車の代名詞。そんなフェラーリの競合とはいったいどんな企業でしょう。
 実は、フェラーリの競合は、トヨタやホンダといった、他の自動車メーカーではありません。
 フェラーリのように1台で2千万を超えるような高級車を購入する層というのは、そもそもすでに自動車を何台も所有しているはずで、フェラーリが1台目という顧客は少ないでしょう。
 ですから、フェラーリを買おうかなと考える人が、フェラーリと比較して購入を迷うのは自動車ではなく、小型飛行機やヨット、2件目の家や絵画、宝石などです。
 つまりフェラーリのような商品は、その自動車としての性能や価格を他の自動車メーカーとは全く競ってないということであり、フェラーリは自動車ではなくて、お金持ちのための嗜好品というカテゴリーで顧客の興味を争っているのです。」


真の競合が誰であるかを理解するためにも、顧客情報、自社情報、業界のマクロ動向、競合情報をしっかり収集し分析を行なわなければならないと感じます。

 


つながり

営業部のOです。

はじめて会う人との会話や訪問先での商談も最近では楽しめてる自分がいます。
訪問先のドアを開けるのが恐怖でビルの階段の踊り場で深呼吸をして精神統一をしていた駆け出し時代に比べると成長を感じます。

なぜ精神統一をしなくてもドアを開けられようになったか?
現場の方が新しいアプリケーションの操作や技術を学ぶように、習うより慣れろ的な根性論ではなく、コミュニケーションスキルや心得を学んだからです。

今回は勉強会や講演会で教わり、日々の活動で大切にしている考え方をお話させていただきます。

営業の世界ではよくお話をする相手とはまずラポールを築きなさいとか言われます。
ご存知の方もおおいかと思いますが、「ラポール」とはフランス語で「架け橋」、心理学的用語で「親密な関係」「信頼関係」などと訳されます。

話し手と聞き手の間に信頼関係がないとどんな価値のある話をしても「聞いてくれない」「聞きたくない」「疑って聞く」「いやいや聞く」状態に陥ります。なので、いきなり話をするのではなく聞き手との間に「信頼関係」の種をまくことが大切になります。では、どうしたら「信頼関係」が築けるのかを大事なことを2つお伝えします。

まずは「自分と共通点、類似点、共感できる部分の多い人間には親しみを感じる」というものです。自分と仲の良い一緒にいると楽しい友人を思い浮かべて下さい?その方とは、国籍、出身、性別、年齢、学校、会社、収入、既婚未婚、趣味などなど驚くほど共通点が多いはずです。なので親密な関係とは共通点のおおさです。
例えば、我々の業界の共通点を探すと‥『本』、業界での信頼を深めるには読書をするという行動につながるはずです。また、書店や出版社へ訪問すると考えた時に当たり前ですが、本を読まない営業よりも本を読む営業のが信頼関係を築ける可能性が高いと言えます。

2つ目は自分のことを知ってもらうです。得意なこと、想っていること、興味があること、などを正直に話す。相手の人間味を感じると親近感がもてるからです。
自分語りをすこししてみます。私の趣味は腕時計集めでウォッチコーディネーターの資格も取得してます。ベルトや電池交換、簡単な洗浄や磨きなどはすべて自分でやります。あと歌うこと、毎日のお風呂場での練習の成果もあり地元のカラオケ大会で入賞経験もあります。お酒も好きで、特に梅酒。昨年飲んだ「東光 吟醸梅酒」の似ている梅酒が思いつかない程の豊かな個性と濃厚な味わいにハマっています。どなたにもお勧めしたくなる一品です。この辺で‥。
どうでもいい情報ばかりですが、もしブログを読んだ方がその梅酒が気になるから調べてみよう!歌なら私のが上手い!などの反応があれば、心の架け橋のかけ方を学んだことは無駄ではなかったのかも知れません。

物を売るから自分を売るに置き換えると、営業とはリレーションシップ、つまり「人間関係」そのもの。社会生活は人間関係で成り立っていますので、「営業を磨く」ということは、人生をより豊かにすることにもつながります。営業活動を通じて皆様のお役に少しでもたてたら嬉しい限りです。

 


営業はやっぱり足で稼ぐ?

五反田営業所のIです。

私たちは仕事でもプライベートでも、たくさんの「人」と接する機会があると思います。
初めて会ったときに自分と波長が同じだったり、気が合えば良いのですが、中には「苦手なタイプかも・・・」と感じる人も少なくないはず。
それでも、幾度となく接しているうちに「いつの間にか仲良くなっていた」という経験はありませんか?

これは人は「会う回数が多い人物であるほど好意を持ちやすい」という理論で、
心理学では〝ザイアンスの法則〟とも言われており、以下のような心情を示すそうです。

・人は知らない相手には攻撃的、冷淡な対応をする。
・人は相手に会えば会うほど好意を持つようになる。
・人は相手の人間的な側面を知ったとき、より強く好意を持つようになる。

例えば、

月に一度だけ長時間会う人よりも、10分だけでも、毎日会う人の方に好感を抱きやすい傾向があるということです。逆に、会う頻度が少なくなるほど、好感も薄れていくことになります。
「遠くの恋人より近くの他人」なんて言葉もありますが、遠距離恋愛がうまくいかない理由は
この法則によるところもあるそうです。何度も同じCMを見ているうちに、タレントやキャッチコピー、メッセージになんだか好感を持つようになったり、いつの間にか曲を口ずさんだりするのもこの法則の一例だそうです。

が、注意したいのはこの法則はあくまで印象が悪いまま接触回数だけを増やすと逆効果になることです。しつこいセールスマンが良い例です。悪い印象でスタートしてしまった相手とは良い印象に変えてから接触回数を増やすようにします。

この法則に当てはめてみると、はじめは警戒心があったお客様でも、接触回数を増やすことで自分の認知度が高まり、好印象を持ってもらえるようになります。
お客様のもとを訪問する回数を増やして、仕事を増やすという営業方法が古臭く思われそうですが、心理学的に見るとあながち間違ったアプローチではないといえます。
メールやメッセージアプリなどの便利に溢れる中、時には足を使って会いにいくことも、公私ともども大切にしていくと、良い仕事・良い関係に結びつくのではないかと思っています。

 


木こりの話

営業部Hです。

先日の朝礼で “効率よく仕事しましょう” という話がありました。
そこで昔読んだイソップ童話の “木こりの話” を思い出しました。
まず、読んでみてください。


ある日の朝、旅人は山の中を歩いていました。
奥深い森の中、汗を流しながら一生懸命に木を伐っているきこりを見ました。
そして夕方、同じ道を戻ってみると・・・、朝と同じ場所で、玉の汗をかきながら一生懸命木を伐り続けているきこりがいました。
でも、あんまり作業は進んでいないようでした。
旅人は足を止めてよくよく見ると、きこりが使っている斧の刃は、ボロボロでした。
そこで、きこりに声をかけました。
旅人:「きこりさん、精がでますなぁ。でもあんまり作業は進んでないみたいですね、一旦手を止めて、斧の刃を研いだらどうですか?」
きこり:「旅人さんよ、なに言ってるんだよ、刃を研ぐ時間なんておいらには無いんだよ、木を伐るのが忙しくてさ・・・。」
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もうお分かりですよね。
時々手を止めて「刃を研ぐ」時間を作る。
これが仕事の効率を高め、自分を成長させます。

われわれ印刷会社でいうと、印刷機の週毎、月毎のメンテナンスがあります。非常に高額な上に時間も要しますが、印刷物の汚れやミスを防ぐ、つまり、効率よく仕事をするために不可欠です。営業部でも、顧客との対面時間を有効なものとするために情報収集や情報共有の時間を大事にしていきたいです。

 

 


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